日清食品、トルコでパスタと即席麺の合弁事業を開始

2012年7月24日 12:59

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 日清食品ホールディングス(HD)は24日、トルコにて、同国最大の消費財メーカーグループである「YILDIZ HOLDINGA.S.」(ユルドゥズ社、所在地:イスタンブール市)傘下でパスタの製造販売を行なっている「BELLINI GIDA SANAYI A.S.」社の株式50%を取得して、トルコでパスタ及び即席麺事業を開始するとともに、同社を連結子会社化すると発表した。

 株式の取得額は2350万ドル(約18億円)。また、日清食品HDおよびユルドゥズ社は、即席麺の生産設備の新設資金として、2012年中に合計1500万ドル(日清食品HD:750万ドル、ユルドゥズ: 750万ドルずつ出資)の合弁対象会社への増資を引き受けることを予定している。

 日清食品HDによると、トルコには即席麺を現地で製造している会社はなく、まだ市場は形成されていないという。しかし、都市部では生活スタイルの変化に伴い、食事への簡便性が求められるようになり、またパスタだけでなく伝統的な麺食文化(エリシテ)を持つだけに即席麺の潜在需要が高く、年間10億食を超える市場になりうると、同社は判断しているという。

 合弁パートナーであるユルドゥズ社はトルコ最大の消費財グループであり、同社を代表するULKER(ウルケル)ブランドはトルコで最も有名な食品ブランドの一つ。同社は2008年にベルギーのチョコレート会社「GODIVA」を買収したことでも知られ、ケロッグ社をはじめ数々の外国企業ともトルコでの合弁事業を行っている。さらに、同社はトルコ国内全体をカバーする食品流通企業を有しているほか、海外事業では中東、北アフリカ等を中心に9カ国に生産拠点を有し、80カ国以上に製品を販売している。

 今回、日清食品HDは、合弁対象会社へ即席麺製造技術を提供する一方、ユルドゥズ社が保有する流通網を活用して即席麺及びパスタの販売を実施することで、互いの持つ強みを融合させて同国における事業展開を行う。将来的にはトルコ国内の事業に加えて、中東、北アフリカエリアへの進出も視野に入れて展開していく。

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