住友商事が豪州Aquila社から石炭事業権益を取得

2012年7月13日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 住友商事が、豪州資源会社のAquila Resources Limited社(Aquila社)の子会社が保有する豪州Queensland州のIsaac Plains(IP)炭鉱権益の全てを取得したと発表。取得分は権益全体の50パーセントにあたり、総額4億3千万豪ドル(約335億円)だという。

 IP炭鉱は、2006年に生産を開始した年間生産能力280万トンの露天掘りの炭鉱。約70パーセントが鉄鋼用の原料炭、約30パーセントを電力用の一般炭として、日本を含めアジアの需要家に供給している。生産量にみあう鉄道・港湾の使用権は確保されており、洪水対策も施された比較的低リスクの優良炭鉱とのこと。このIP炭鉱を、今後、ブラジル大手資源会社であるVale S. A.の子会社Vale社と権益を各50パーセント所有し、操業および石炭の販売を実施する。

 また住友商事は、Aquila社が同じくQueensland州に保有する探鉱権益に、20~50パーセント参画する権利を取得することについても合意。現在、第三者機関が算定中の同探鉱権益のFair Market Value(FMV)が決定された後、住友商事はFMVに基づき、探鉱権益への参画および参画比率を決定するという。

 現在、石炭を含めた資源業界では優良資産の取得機会が限定されてきており、新規の資源開発には、投資決定から供給開始までに長期間を要すること、また、資源はそれぞれに鉱山寿命があることから、5~10年以上先を見越した投資戦略を立て、人材を育成していくことが不可欠だという。こうした中、今回のIP炭鉱権益は、初めて住友商事自らが主体となり炭鉱運営に携わる案件となる。将来に向けた経験・ノウハウの蓄積・人材育成も同時に目指すとのことであるが、目論見通りの結果を得られるのであろうか。5~10年後の情勢が楽しみである。

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