エネットが電気料金メニューを拡充、7月1日から関東・関西エリアで提供

2012年6月7日 11:42

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 特定規模電気事業者(PPS)の株式会社エネット(東京都港区)は6日、同社と電力供給契約を締結している顧客と連携し、多様なサービスメニューを統合した法人向けデマンドレスポンスサービス「EnneSmart(エネスマート)」の提供を、7月1日より関東・関西エリアで開始すると発表した。

 新たな季節別時間帯別の料金プランに加え、緊急ピーク時課金(CPP:Critical Peak Pricing)や、緊急ピーク時リベート(PTR:Peak Time Rebate)等の多様な料金メニューを組み合わせることで、インセンティブの提供を通じて顧客の「賢い節電」を支援する。小売、製造、教育、サービス、情報通信、エンジニアリング等、広範な産業分野の顧客と電力の供給側が協調して需給バランス改善に取り組むという、新たな電力需給最適化モデルの日本国内への浸透を図る。

 今回提供開始する法人向けデマンドレスポンスサービスは、電力の需給逼迫時に、エネットが顧客に対して一時的な節電を要請し、要請を受けた顧客は電力の消費を抑制することでネガワット(節電電力)を生み出し、需給逼迫の緩和に取り組むもの。

 エネットは今回、デマンドレスポンスのために料金メニューを拡充する。新たな時間帯別料金サービス(TOU:Time Of Use)は、昼間の電力量料金単価を高く、朝・晩・深夜の電気量料金単価を安くすることにより、昼間の電力使用を抑制するといった一定の消費パターンを満足することで、電気料金が安くなるよう季節や時間帯毎に個別の料金単価が適用される料金サービス。

 緊急ピーク時課金(CPP:Critical Peak Pricing)は、需給逼迫が見込まれる場合、ピーク時間帯に電気を使うと通常のピーク料金よりもさらに高い電気料金が適用される旨を顧客に対して予め通告し、ピーク時間帯の需要抑制を促すもの。CPP利用者は未利用者と比較して通常時に適用される料金単価が安くなる。

 また、緊急ピーク時リベート(PTR:Peak Time Rebate)は、需給逼迫が見込まれる場合、ピーク時間帯に電気使用量を削減すると、その削減量に応じてリベート(報酬)を払う旨を顧客に対して予め通告することで、ピーク時間帯の需要抑制を促すもの。

 なお、法人向けデマンドレスポンスサービス「EnneSmart」には、関東では紳士服大手の「AOKI」や王子製紙、東京ガス、三越伊勢丹などが、また関西ではNTT西日本などが参加を表明している。

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