東洋紡、エアバッグ事業で北米へ進出 日系自動車メーカーの現地生産を支援

2012年4月12日 12:56

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 東洋紡は11日、北米でのエアバッグ事業の強化のため、米国内にエアバッグ用基布の販売会社の設立を決定したと発表した。東洋紡は米ミシガン州に販売会社を設立し、同社品質管理のもと米国のPolyamide High Performance Inc.(以下PHPI社)が設立する子会社で製造した基布を販売する。

 東洋紡はこれまで、日本国内、タイ、中国でエアバッグ用基布を製造し、日系自動車メーカーを中心に販売してきた。しかし近年、日系自動車メーカーは、部材調達を含めた海外での現地生産化を進めており、また、BRICsなど新興国市場の拡大や、米国の法規制強化などに伴い、エアバッグの需要は世界的に拡大している。このような状況のもと、東洋紡はエアバッグ事業の拡大を図るため、北米にエアバッグ用基布の販売会社を設立することを決定した。

 東洋紡とPHPI社はこれまでも、エアバッグ用原糸の製造・供給において協力関係を築いてきた。今回の新販売会社は、エアバッグ用基布に使われるナイロン原糸をPHPI社から調達し、東洋紡の品質管理のもとPHPI社が新たに設立する基布製造会社で生産を行う。新販売会社は、北米の日系自動車メーカー中心に販売し、現地生産を支援する。

 今後、2012年4月に新販売会社を設立、7月をめどに試験生産を開始し、12月をめどに日系を中心とした現地自動車部品メーカーに販売する予定。

 今回の販売体制構築の総投資額は約10億円となる。東洋紡のエアバッグ事業は、日本国内、タイに加え、2012年4月には中国の製造・販売拠点が本格的に稼働する予定で、今回の北米拠点を加えたグローバル供給体制の構築を目指す。
 

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