インフレ緩和の兆しでも株高は続くのか イラン停戦・利上げ・減税の三重変化

2026年6月19日 17:24

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●インフレ緩和へ地殻変動が起きている

 「イラン紛争終結」「日銀金利引き上げ」「食料品消費税1%案急浮上」など、インフレ緩和に向けて地殻変動が起きている。

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 これらの要因がインフレを背景に上昇を続けてきた株式市場にどのような影響を与えるのだろうか。3つの要因について考察する。

●イラン紛争がようやく終結でホルムズ海峡解放へ

 世界経済に暗い影を落としていたイラン紛争が終結に向け、ようやく米国・イラン両国で合意に達し、17日に両国大統領による電子署名が行われたと報じられた。イラン側によると19日にスイスで行われる予定だった正式な署名式は、行われない見込みだという。

 両国が交わした覚書の中に、署名後ホルムズ海峡を30日以内に正常な状態に戻すと記載されており、地雷の撤去も含め船舶の安全な航行が確保される見込みとなっている。

 実現すればエネルギーを筆頭に貿易が再び活発化し、世界経済にとってプラスになることは明らかだ。

 この流れを受けて、原油もWTI原油先物価格が1バレル75ドル台(18日時点)まで下落しており、輸入に頼る日本企業にとっては原材料価格の下落につながることが期待できる。

 ただし、イランの核問題に関しては60日間の協議で内容を詰めることになることから、最終合意に至るかは不透明な部分もある。

●メガバンク3行が普通預金金利引き上げを発表

 三菱UFJ、三井住友、みずほのメガバンク3行は16日、普通預金の金利引き上げを発表した。

 これまでの0.3%から0.4%に引き上げるもので、日銀の政策金利が1%に引き上げられたことに対する措置である。

 金利の上昇は株式市場にはマイナスと考えるのが一般的だが、この程度の上昇幅ではインフレで預貯金の価値が目減りするという図式に変化はないので、株式の優位性は変わらない。

 もう1つ、金利の上昇は景気を冷やす効果があるが、現状は景気が過熱しているわけではなく、輸入物価上昇によって物価の高騰が起きているだけだから、利上げが直ちに景気に悪影響を与えることは考えにくい。

 一方で円高による輸入物価高騰の緩和を狙った日銀の利上げは、為替相場にはほとんど反映されず、1ドル160円前後の円安が続いていることから、円高誘導のため年内に再利上げが予想されることには警戒が必要だ。

 再利上げの幅によっては、株価の一時的な調整につながる可能性がある。

●食料品消費税減税は1%案が急浮上も実施は既定路線

 社会保障国民会議の実務者協議が17日に行われ、2027年4月から食料品の消費税を1%へ引き下げる議長案が提示された。

 税率0%に比べて1%への変更のほうが、レジシステムの改修が速いことから急浮上したものだ。高市政権は公約の0%にこだわりをもっており、差額の1%は低所得者向けの給付で対処し、実質0%にする方向で検討されている。

 今後意見集約を進めて6月中のとりまとめを目指すというが、消費税減税の実施自体は既定路線と考えられる。

 ただし、実施されたとしてもレジで支払う税金が8%から1%に減税されるというだけで、本体価格が7%下がるわけではない。

 インフレの緩和にどこまで効果があるかは未知数だ。

●インフレ緩和の株価への影響は限定的か

 株安の要因になっていたデフレから脱した日本経済にとって、インフレの緩和は市場にとってマイナスにもなり得る。だが、価格転嫁が定着した社会環境下では、かつてのようなデフレ経済に戻ることは考えにくいだろう。株価への影響は限定的と考えられる。

 値上げの波は収まるとしても、企業が原材料費の低下した分ストレートに価格を下げるとは考えにくいので、差額が収益に上乗せされる可能性は高い。

 また物価高の一方で賃上げも定着しつつあることから、消費者が物価の高止まりを容認する環境になっていることも企業にとっては有利なポイントだ。好調な企業業績を背景に株高は当面続くと考えたほうがよいかもしれない。(記事:丸山優太郎・記事一覧を見る

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