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米イラン停戦延長で交渉難航 原油市場は神経質な展開
米国とイランは5月28日、現行の停戦を60日間延長し、核開発問題の協議を開始する覚書の締結に向け、両国の交渉担当者が暫定合意に達したと、複数の米政府関係者が明らかにした。
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しかし合意は確定しておらず、トランプ大統領の最終承認を得るまでの間、不安定な状況が続いている。
■交渉の現状
覚書には、ホルムズ海峡の通航自由の確保や機雷の撤去、イランが核兵器を追求しないとする約束などが盛り込まれていると報じられている。
だが5月31日、NHKなど複数のメディアは、トランプ大統領が核問題に関する内容の修正を求めたと伝え、ホルムズ海峡の開放条件と核問題をめぐる両国の隔たりは依然として大きいとした。
イランメディアも、合意が成立した場合には自国側から発表するとして、米側の一方的な発信を牽制している。
この情勢は原油市場に直接影響を与えている。アジア原油の指標となるドバイ原油は停戦協議への期待が高まった局面で下落する一方、交渉が行き詰まるたびに上昇圧力が加わるという神経質な値動きを繰り返している。
世界の原油流通量の2割が通過するホルムズ海峡の動向が、そのまま価格を左右する構図となっている。
■日本の株式・為替市場への影響
国内市場でも、停戦交渉の行方が意識されている。5月29日の東京株式市場では、停戦延長への期待が支援材料となり、日経平均株価が終値ベースで年初来高値を更新した。
ただし交渉が長期化した場合、原油高騰による輸入コストの上昇が貿易収支を圧迫し、円売り・ドル買い需要を通じた円安圧力となりやすい点は引き続き警戒材料だ。
ドル円相場は159円台前後で推移しており、160円手前では政府・日銀による円買い介入への警戒感も根強い。
■先行きの焦点
最大の注目点は、トランプ大統領が覚書への署名を承認するかどうかだ。承認されれば停戦の長期化と原油供給安定につながり、国内市場にとって追い風となる。
一方で交渉が決裂した場合、再び軍事的緊張が高まり、原油価格の急騰と株安・円安が連動するリスクシナリオが現実味を帯びる。中東情勢の帰趨が、今後の国内金融市場の方向性を大きく左右しそうだ。(記事:庭田 學・記事一覧を見る)
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