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3年連続5%超の賃上げ、日銀正常化を後押し 株価への影響は?
連合が3月23日に公表した2026年春闘の第1回回答集計で、平均賃上げ率は5.26%となり、第1回集計での5%超えは3年連続となった。ベースアップは3.85%で、日本銀行が目指す賃金と物価の好循環を裏付ける内容として、金融市場の関心を集めている。
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■利上げ前倒しも視野、ただ原油高が重石
日銀は昨年12月の金融政策決定会合で、政策金利を0.75%に引き上げており、現在は据え置きを続けている。
今回の春闘結果は、金融政策正常化を正当化しうる材料と受け止められており、市場では次回利上げの時期として7月が有力視されているが、状況次第では前倒しの可能性もあるとみられている。
ただし、素直に利上げ観測の強まりへとつながらない要因もある。イラン情勢の緊迫化を背景に原油価格が4年ぶりの高値圏で推移しており、エネルギーコストの上昇が企業収益や家計の購買力を圧迫している。
賃金が5%超上昇したとしても、物価の伸びがそれを上回れば実質賃金はプラスを維持できず、4月以降に再びマイナスへ転落するリスクも指摘されている。
■株・債券・円、マーケットへの波及
株式市場では、賃上げによる個人消費の底上げが内需関連銘柄の追い風になるとの見方がある半面、利上げ継続への警戒から金利上昇に敏感なセクターには慎重な目線も向けられる。
債券市場では、長期金利の先高観が意識されやすく、国債価格には上値の重さが残る。円相場については、利上げ期待が下支えとなる一方、イラン情勢によるリスク回避の動きも重なり、方向感が定まりにくい状況が続く。
中小企業の交渉結果は今後順次判明する。大企業主導で始まった賃上げの波が中小にまで波及するかが、日銀の次の一手を占ううえでの焦点となる。(記事:庭田 學・記事一覧を見る)
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