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円安・業績好調・MBO成立なのに、トヨタの株価が上昇しない理由とは?

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■好材料続出なのにトヨタの株価が反応しない
好材料が続いているにもかかわらず、トヨタの株価が反応していない。
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第3四半期の決算発表では通期最終利益の見通しを上方修正(21.7%)、グループ企業豊田自動織機のMBO成立、ドル円相場は160円台に急接近中だ。トヨタの為替予想レートは150円に設定されており、1円の円安で約500億円の利益が発生する。
このような好材料続出のトヨタであるが、2月6日の決算発表の翌営業日に4,000円台にタッチし新高値を更新したものの、そこが高値となり、イラン紛争前まで日経平均株価が新高値を更新し続ける中でも値を下げ、現在は3,000円台前半まで売られている。日本を代表する世界ナンバーワン自動車メーカーのトヨタが、である。
このまま強い反発を見せなずに4月に入ると、実は3月の月足チャートは久々の長い陰線ということになり、調整入りの可能性も示唆する。
■トヨタの株価が上昇しない理由
ファンダメンタルズからは、トヨタの株価が上昇しない理由は考えにくい。強いて言えば、ホルムズ海峡封鎖が長引き世界経済に大打撃を与えた場合か。無論、このケースではトヨタどころか世界中の株価が暴落してしまうことになるだろう。
それ以外にもグループ企業の認証不正問題、EV化シフトへの出遅れ、米関税リスクなども考えられるが、好材料を打ち消してまで株価を下落させるには力不足だ。
■ドル円週足相場に出現した首吊り線
可能性としてありそうなのが、為替動向だろう。イラン戦争の長期化は原油価格を高騰させている。日本経済のアキレス腱ともいえるエネルギー問題は物価を押し上げることになり、世界的なドル売りにもかかわらず、ドル円相場では投機筋によるドル買い円売りが止まらない。
しかしながら、160円前後の水準には強力なレジスタンスラインも控えている。この水準では日米通貨当局によるレートチェックが行われたばかりで、高い確率で円買いドル売り介入が実施されるだろう。3月第3週も159円90銭の戻り高値を付けるも160円越えには至らなかった。
週足チャート上には、相場の転換点を示唆するといわれる首吊り線(3月第3週)が高値圏で出現している。このまま160円越えとらなずに円高方向へトレンド転換するようだと、トヨタにとっては円安メリットが円高デメリットへと転換する。
■HV戦略の限界
もう一つの問題として考えられるのが、地政学上のリスクだ。言うまでもなく中東問題だが、備蓄のある先進国はまだ数カ月の猶予があるものの、すでに東南アジアなどではガソリン不足により車が動いていないという状況も発生している。
EVを駆逐する勢いのトヨタのHV戦略も、石油の安定供給が前提条件となる。この問題が完全に解決されない限り、トヨタの株価は頭を押さえられ続けるのかもしれない。
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