ホンダ、巨額赤字となったEVシフトのリスク

2026年3月27日 13:56

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●ホンダが上場来初の通期最終赤字

 自動車大手のホンダは、2026年3月期の連結最終損益が、最大6900億円の赤字となる見通しを発表した。発表を受けて、3月13日の株価は前日比約6.7%安で、2025年4月以来11カ月ぶりの安値となる1351円を付けた。

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 最終赤字は1957年の上場以来初となり、2027年3月期も多額の損失を計上する可能性がある。

 ホンダは国内の自動車メーカーでは唯一「脱エンジン戦略」を掲げ、2040年までにすべての新車をEV(電気自動車)とFCV(燃料電池車)にする計画を、2022年4月に宣言していた。

 米国トランプ政権下でのEV購入の税制優遇廃止や排ガス規制緩和などによる、北米での急激なEV需要の減少が、大きく影響したと見られる。

●ホンダの歴史

 ホンダは、本田宗一郎氏が1946年、本田技術研究所として静岡県浜松市で創業。自動車補助エンジンの製作からスタートし、自社製エンジンA型の成功を機に、1948年に本田技研工業を設立した。

 二輪車の発売からスタートしたが、1963年に軽トラックで四輪車市場に参入し、1967年発売の「N360」が初のヒット作となった。

 31万3000円と当時としては圧倒的な低価格で、発売からわずか2年で30万台を突破し、その地位を不動のものとした。

 1964年からF1にも参入。エンジン供給に専念し、1980年~1990年前半までウィリアムズやマクラーレンと組み、アイルトン・セナを擁すなどして、黄金時代を築いた。

 2021年以降、三部敏宏社長の脱エンジン宣言により、HV(ハイブリッド)車も廃止する意向など、「第2の創業」とする急進的なEVシフトを推進してきた。

●日産などの他社も苦戦!?今後の命運は?

 「リーフ」により国内自動車メーカーではEV先駆者だった日産自動車も、苦戦が続いており、大規模なリストラを断行せざるを得ない状況に追い込まれている。

 トランプ政権前から、中国でのEV販売も、政府の補助金削減や購入税の導入で頭打ちになり、欧州でも、補助金打ち切りとなる国が増えている。

 補助金の見直しに加え、ガソリン車より値段が高いため高金利ではローンが組みづらくなり、消費者の購買力が下がる。電気代も上がっている。

 そうなれば、ガソリンの値段が上がってもHV車やPHV(プラグインハイブリッド)車に流れる。結果的に全方位戦略を取るトヨタが強い。

 ホンダは昨年5月からEVへの投資を減らし、HV車に回帰する戦略を発表している。

 ホンダだけでなく、EVに一本足打法になりかけていた企業は、EV市場の好転を待つより、HVへの回帰などEVシフトをストップせざるを得ないだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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