ウォルマート決算が示す、米消費の広がり

2026年2月20日 17:39

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 米小売最大手ウォルマートが2026年1月期の第4四半期および通期決算を発表した。第4四半期の総収益は、前年同期比5.6%増の1,907億ドル、営業利益は同10.8%増の86億ドルとなった。米国の個人消費の動向を映す企業として注目される中、同社は増収増益を確保し、堅調な業績を示した。

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 調整後1株利益(EPS)は0.74ドルと前年同期の0.66ドルから12.1%増加した。eコマース売上は全世界で24%成長し、総売上高の23%を占めるまでに拡大している。デジタル分野の伸長が収益力改善にも寄与した。

 通期では純売上高が7,064億ドル、調整後営業利益は310億ドル、調整後EPSは2.64ドルとなった。営業キャッシュフローは416億ドル(前年比51億ドル増)、フリーキャッシュフローは149億ドル(同23億ドル増)を創出し、財務基盤の強さも確認された。第4四半期には11億ドルの自社株買いを実施。さらに300億ドルの新たな買い戻し枠も承認している。

 セグメント別では、ウォルマート米国事業の既存店売上高(燃料除く)が4.6%増と堅調に推移した。客数と販売数量の増加が成長を支え、eコマース売上も27%増と高い伸びを示した。

 開示資料によれば、所得層を問わずシェアを拡大している。特に高所得世帯が成長を牽引した点が今回の特徴である。従来は低・中所得層の支持が厚い企業とみられてきたが、より幅広い顧客層を取り込んでいることが足元の業績拡大につながっている。

 2027年1月期の通期見通しは、純売上高が一定通貨ベースで3.5%~4.5%増、調整後EPSは2.75ドル~2.85ドルとされ、増収増益を見込む。ただし純利息費用の増加や為替、インフレ動向など不確実要因も挙げている。成長は緩やかなペースを想定している。

 ウォルマートの決算は、米消費が大きく失速していないことを示す。同時に、顧客層の広がりという構造変化も浮き彫りにした。価格競争力に加え、品ぞろえや利便性の強化が高所得層にも支持されている可能性がある。

 米国経済の体温を測る指標として、今後も既存店売上や利益率の推移が重要な手がかりとなるだろう。とりわけ既存店売上の伸びと客単価の動向は、家計の購買意欲を測る重要な指標となる。インフレ環境下で消費者の選択がどう変化していくのかも、今後の焦点となりそうだ。(記事:林田孝治・記事一覧を見る

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