円安・株高の中、好調な銀価格 その行方は?

2026年1月16日 13:21

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●銀が最高値を更新

 円安・ドル高・株高が続く中、金価格だけでなく、銀価格も過去最高値を記録するなど、存在感を見せている。

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 “有事の金”呼ばれる金価格と共に、地政学リスクが高まると、価値が高い実物資産として買われてきた銀。ただ金に比べると価格が安いため、“貧者の金”とも呼ばれてきた。

 近年は太陽光パネルやEV(電気自動車)などの欠かせない資源となっており、価格は上昇傾向が続き、存在感が高まっている。

 2025年は特に急騰の年となり、年初は1トロイオンス=29ドル前後だったが、83ドル台まで上昇し、年明けには93.61ドル(2026年1月14日)にまで上昇している。

 銀が金と共に上昇する背景には、何があるのだろうか?

●パウエルFRB議長の捜査も影響?

 13日(米国時間)に銀は過去最高値を記録したが、金は横ばいだった。この日は、米司法省が米連邦制度準備理事会(FRB)のパウエル議長に対する捜査に着手することが、明らかになっていた。

 米紙ウォールストリート・ジャーナルは、パウエル議長が昨夏行ったFRB本部改修プロジェクトに関する議会証言を巡り、司法省が捜査に着手したことを報じ、パウエル氏も刑事訴追を示唆する大陪審の召喚状が送付されたことを明かしている。

 トランプ米大統領は利下げを巡って、度々パウエル氏を批判しており、パウエル氏は捜査を「利下げを迫るための口実」と反論している。

 銀は安全資産としても魅力だが、市場規模が小さく値動きが激しいことも、投資家に好まれたと考えられる。

●深刻な需給ひっ迫?日本企業にもチャンス?

 銀を巡って投機的な動きが先行していることは否定できないが、需給ひっ迫は深刻であり、実需の面でも上昇要因ではある。

 ただ英金融大手HSBCは、工業需要が25年をピークに減少すると見ており、宝飾品消費量も減少すると見られる。

 供給面も徐々に拡大すると予測されている。銀は採掘だけでなく、リサイクルによる採取も大きなカギを握る。

 株価で見れば、資源開発から精錬までを手掛ける住友金属鉱山は過去最高値を更新しており、回収・精錬を行うリサイクル企業のDOWAホールディングスや三菱マテリアルも急上昇している。

 事業再生でリサイクルへの転換を打ち出している東邦亜鉛も2026年に入り、株価が2倍に急騰している。

 需給が落ち着くまでは、金と同様に存在感を示すことになりそうだ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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