司法試験から方向転換の現社長が興した、ランドネットの収益絶好調の理由

2025年4月9日 10:19

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 ランドネット(2991、東証スタンダード市場)。豊富な物件情報を活かしたデータベースを軸に、中古マンションの買い取り・再販を手掛けている。不動産仲介や管理も展開。そもそもランドネットに興味を持ったキッカケは、斯界に詳しいアナリストから「不動産業界では珍しいケース・・・、若い創業者の現社長が起業した」と聞いたことだった。

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 社長:榮章博氏の経歴を調べた。中央大学法学部卒。司法試験に挑んだが27歳で断念。先輩の薦めで大京住宅流通に入社。業務フォローを作り、システム化/運用と取り組んだ。

 時まさにそんなタイミングだった。革新的なWindows95が登場、大京住宅流通でも導入された。榮氏は、「このパソコン1台で、開発に携わっってきたシステムが出来てしまうのではないか」と直感した。

 それがランドネットの起業を促したわけだが、榮氏は「ダメだったらすぐにどこかの会社に入るからと家内に約束し、恐々と興した」と正直に振り返っている。当初はシステム事業をメインにしていたわけだが・・・、成功を収めた起業家には往々にしてこうした側面が付きもの!?

 そんな傍らからのランドネットへ入り込んだのだったがいま、覗き込んで収益動向に目を奪われた。

 2020年7月期こそコロナ禍の影響で減益を強いられたが、以降は「15.1%増収、39.5%営業増益/26.0%増収、23.3%増益/22.7%増収、1.0%増益/22.2%増収、83.2%増益」、そして今7月期は早々の上方修正で「26.3%の増収(982億4100万円)、38.1%の増益(38億4700万円)、8.25円増配の39.10円配」計画。

 かつ今期予想を含め増配基調の流れの中で、2度の1対2株式分割実施している。右肩上がりの収益動向という中での今期の上方修正をランドネットでは「不動産業界の中古マンション市場では日本銀行による金融政策の修正に伴い、住宅ローンの金利は上昇しているが中古マンションの成約件数や成約価格は継続して上昇傾向にある。こうした潮目を見極めながら好立地の築浅ファミリータイプ等の高価格帯の物件取扱数を増やすことで、平均販売単価を上昇させ収益の拡大を図っている結果・・・」と、自信のほどを発信している。

 全国規模の豊富な実績データを背景とした売買マッチングが、最大の強み。最近では売買の多様化として、クラウドファンディングにも注力している。

 本稿作成中の株価は1000円トビ台。予想税引き後配当利回り1.52%水準。ROE23%強が目を引く。3月10日の11284円からトランプ関税下落相場で1000円割れ揉み合い揉み合い場面。2021年7月の上場初値に対し、時価の修正済み株価パフォーマンスは73%。さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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