関連記事
静脈メジャー企業に向け足音を強める:TREHDとは、こんな会社
動脈産業と静脈産業。前者は(天然)資源を使いモノを創る。後者は創られたモノを使用後に、廃棄物として回収・処理し再資源化する。
【こちらも】1年余前上場の不動産業合理化企業:ココリブは、順調な滑り出し!
そんな静脈産業の日本の雄が、TREホールディングス(9247、東証プライム市場)。2021年10月にタケエイとリバーHDが統合して誕生した。「廃棄物の再資源から処分までを一貫して手掛ける」(四季報/特色欄)。
2社統合でTREHDが誕生した意義は大きい。廃棄物処理・リサイクル業全体の市場規模は12兆円規模とされる。コンビニ業界で11兆円/スーパー業界13兆円と言われる中で、だ。が日本の静脈産業の大手企業の割合は1%水準にとどまる。99%が従業員100人未満の小規模企業。海外状況と比較すると、M&Aを軸とした「静脈メジャー」と称される存在は実存していなかった。
その意味でタケエイ(廃棄物処理業界大手)とリバーHD(金属リサイクル事業大手)の統合は、日本の静脈メジャー誕生の「第一歩」となった。適切な廃棄物処理を経て良質な再生資源を安定して供給していくためには、是非論はあろうが日本でも静脈メジャーの登場が不可欠だからである。現にTREHDではメジャー創造に向け、着々と手を打っている。
例えば3月21日には『千葉県市原市における廃プラスチック高度選別・再商品化施設建設工事開始のお知らせ』と題する、リリースを配信した。
詳細は省くがTREHDは22年9月に、4つの新規事業を発表した。「廃棄物焼却・発電事業」「産業廃棄物破砕選別・再資源化事業」「廃プラスチック高度選別・再商品化事業」「金属資源高度選別事業」。その中の一事業で具体的な体制整備を行う、と宣言するリリースである。
静脈メジャーへの足取りは容易ではないし、一段の施策の積み上げが多々求められる。
TREHDの収益動向は拡大期入りしている。統合・誕生直後の22年3月期の「売上高:682億3400万円、営業利益:76億5900万円、40円配」が前3月期は「928億6000万円、77億6900万円」、そして今3月期は「18.5%増収(1100億円)、163.9%営業増益(205億円)、45円配」計画。第3四半期時点で「着地は予想を確実にクリア」という状況にある。
震災被害が相次いでいる中「素直には喜べない」側面も否定できないが、対応を着実に進めることも肝要。
株価は「静脈メジャー」への期待を反映している。本稿作成中の時価は1400円接近。予想税引き後配当利回り2.7%余。IFIS目標平均株価は算出者4人中4人が強気の2538円。上値余地を残している・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
スポンサードリンク