ネオジャパン、26年1月期は増益・増配予想、desknet‘s NEOクラウドサービスを中心にソフトウェア事業が好調

2025年3月22日 13:45

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ネオジャパン<3921>(東証プライム)は、自社開発のグループウェアdesknet‘s NEOクラウドサービスを主力として、製品販売拡大とクロスセル加速、AIを活用した製品アップグレード・製品ラインナップ拡大、継続的なARPU拡大、海外事業の成長に伴う売上拡大などを推進している。26年1月期も増益・増配予想としている。引き続きdesknet‘s NEOクラウドサービスを中心とするソフトウェア事業の好調が牽引する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上値を切り下げる形でやや軟調だが、好業績や増配を評価して反発を期待したい。

■自社開発グループウェアのクラウドサービスが主力

 ビジネス・ITコミュニケーションツール開発企業である。自社開発のグループウェアdesknet‘s NEOのクラウドサービス(月額課金収入)を主力に、大企業向け中心のプロダクト(パッケージソフト販売のライセンス収入およびサポートサービス収入)も展開している。

 海外展開は19年6月米国子会社DELCUIを設立、19年12月マレーシアに合弁会社(連結子会社)NEOREKA ASIAを設立、21年2月タイに子会社Neo Thai Asiaを設立、24年4月フィリピンに子会社NEOPhilippineを設立し、拠点開設は3カ国となっている。当面は投資が先行する形だが、ASEAN全域においてdesknet‘s NEOブランドの確立を目指す。

 24年1月期の売上高構成比は、グループウェアを中心とするビジネスICTツールのソフトウェア事業が69%(クラウドサービスが45%、プロダクトが24%、技術開発が1%)、子会社Pro-Spireのシステム開発サービス事業が31%、海外事業が1%、調整額が▲2%、営業利益構成比はソフトウェア事業が94%、システム開発サービス事業が8%、海外事業が▲2%、調整額が0%だった。

■製品ラインナップ拡充

 desknet‘s NEOは、すべての組織のDX推進を支えるオールインワン改善プラットフォームである。多機能・使いやすさ・高品質・低価格を強みとしている。業種・業態・規模を問わず幅広く企業・官公庁・自治体に採用され、自治体・政府機関1100以上(都道府県庁18含む)に導入されている。

 desknet‘s NEO以外の製品ラインナップとしては、ノンプログラムで誰でもWebアプリを簡単に作成できるノーコード業務アプリ作成ツールAppSuite、新しいコミュニケーションツールとしてのセキュリティ特化型ビジネスチャットChatLuckを提供し、desknet‘s NEOとの連携も強化している。また24年6月にはカスタマーコミュニケーションハブとしてNEOPORTの提供を開始した。メール、チャット、動画音声メッセージなど多様化するカスタマーとのコミュニケーションチャネルを共通のプラットフォームに統合し、AI・自動化技術も活用してチームでの顧客対応業務を効率化させるクラウド型の新しいコミュニケーションツールである。なお24年12月にはChatLuckの最新バージョン6.6の提供を開始、25年3月にはdesknet‘s NEOの最新バージョン9.0の提供を開始した。

 25年1月期末時点のグループウェアdesknet‘s NEOのプロダクト累計販売実績数は4.0%増の455.9万ユーザー、クラウドユーザー数は3.5%増の53.7万ユーザー、ノーコード業務アプリ作成ツールAppSuiteのプロダクト累計販売実績数は29.3%増の40.2万ユーザー、クラウドユーザー数は37.9%増の8.0万ユーザーとなった。

■さまざまな賞を受賞

 24年9月には日経BP発行の「日経BPガバメントテクノロジー 2024年秋号」で発表された「自治体ITシステム満足度調査2024―2025 グループウェア/ビジネスチャット部門」において1位を獲得した。

 25年1月にはアイティクラウドが主催する「ITreview Grid Award 2025 Winter」において、desknet‘s NEO、AppSuite、ChatLuckが、それぞれ4部門で最高位であるLeaderを受賞した。

 25年3月にはスマートキャンプ社が運営する「BOXIL SaaS AWARD Spring 2025」において、desknet‘s NEO、AppSuite、ChatLuckが、3部門で合計11の賞を受賞した。

■成長戦略

 中期業績目標値には、26年1月期売上高78億75百万円、営業利益16億95百万円、当期純利益11億70百万円、1株当たり利益78円50銭、1株当たり配当31円、配当性向39.5%を掲げている。

 成長戦略として国内累計販売ユーザー数1000万ユーザー、グループウェア国内トップシェアを目指し、desknet‘s NEOを中心とする製品販売拡大とクロスセル加速、AIを活用した製品アップグレード・製品ラインナップ拡大、継続的なARPU拡大、海外事業の成長に伴う売上拡大などを推進している。

 24年10月には横浜市と共同開発の傷病者情報共有システム(仮)の実証事業を開始した。AppSuiteおよびdesknet‘s NEOを活用して救急現場のDXを支援する。24年12月にはneoAI(東京都)と生成AIサービス提供開始に向けて業務提携した。

 東南アジア市場開拓戦略では、23年9月にフィリピン経済特区庁(PEZA)と適切なICTシステムの開発と導入に関する基本合意(MOU)を締結した。海外政府機関とのMOU締結は同社にとって初となる。24年7月にはマレーシアの連結子会社NEOREKA ASIAが、desknet‘s NEOとAppSuiteでマレーシア投資開発庁のデジタル改革加速を支援すると発表した。24年10月にはNEOREKA ASIAが、Solsis(Dataprep Holdingsの連結子会社)と販売代理店契約を締結した。マレーシア政府機関などへの販売拡大を目指す。

■サステナビリティ経営

 サステナビリティ経営への取り組みとして23年5月にサステナビリティ委員会を設置、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。24年3月には、横浜市が取り組む「横浜健康経営認証」において最高クラスの「横浜健康経営認証クラスAAA」に認定(認証期間は24年4月1日から2年間)された。24年6月には厚生労働大臣が認定する「くるみん認定」を取得、ポーツ庁が推進する「Sport in Lifeコンソーシアム」に加盟した。25年2月にはスポーツ庁の「スポーツエールカンパニー2025」に認定された。25年3月には経済産業省と日本健康会議が進める健康経営優良法人認定制度において、健康経営優良法人2025(大規模法人部門(ホワイト500))に認定された。健康経営優良法人は6年連続、ホワイト500は初認定となる。

■26年1月期増益・増配予想

 25年1月期の連結業績は、売上高が24年1月期比9.8%増の72億63百万円、営業利益が50.5%増の19億51百万円、経常利益が49.1%増の20億49百万円、親会社株主帰属当期純利益が47.9%増の14億14百万円だった。配当(24年6月14日付で中間配当実施と配当予想上方修正を発表)は、3月13日付で配当政策の変更(累進配当を基本方針として連結配当性向40%目安に引き上げ)を発表し、期末9円上方修正して24年1月期比17円増配の40円(第2四半期末14円、期末26円)とした。大幅増配で配当性向は39.8%となる。

 前回予想(24年12月10日付の上方修正値、売上高72億53百万円、営業利益18億84百万円、経常利益19億25百万円、親会社株主帰属当期純利益13億23百万円)を上回る大幅増益だった。ソフトウェア事業が好調に推移し、各コストが想定を下回ったことも寄与した。そして成長戦略で掲げた26年1月期の目標のうち営業利益(16億95百万円)、当期純利益(11億70百万円)、1株当たり利益(78円50銭)、1株当たり配当(31円)を1期前倒しで超過達成した。

 ソフトウェア事業は、売上高(外部顧客への売上高)が13.7%増の52億13百万円、セグメント利益(調整前営業利益)が64.3%増の20億11百万円だった。売上高の内訳はクラウドサービスが16.1%増の34億27百万円、プロダクトが9.0%増の17億03百万円、技術開発が16.0%増の81百万円だった。クラウドサービスの売上高の内訳はグループウェアdesknet‘s NEOクラウドが17.4%増の28億71百万円、ノーコード業務アプリ作成ツールAppSuiteクラウドが41.9%増の2億51百万円、ビジネスチャットChatLuckクラウドが14.3%増の82百万円、その他の月額売上が10.9%減の1億77百万円、その他の役務作業等が21.3%減の44百万円だった。24年9月以降のクラウドサービス価格改定や新セットプラン販売開始も寄与して大幅伸長した。

 システム開発サービス事業(子会社のPro-SPIRE)は売上高が0.8%減の20億33百万円でセグメント利益が36.1%減の65百万円だった。人件費増加等で減益だった。海外事業は売上高が36.4%増の1億28百万円でセグメント利益が1億27百万円の損失(24年1月期は31百万円の損失)だった。ASEAN地域の子会社の売上高が増加したが、米国における採用コスト増加などで損失拡大した。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高16億87百万円で営業利益4億36百万円、第2四半期は売上高16億78百万円で営業利益4億11百万円、第3四半期は売上高19億20百万円で営業利益5億31百万円、第4四半期は売上高19億77百万円で営業利益5億72百万円だった。

 26年1月期の連結業績予想については、売上高が25年1月期比10.8%増の80億48百万円、営業利益が7.9%増の21億06百万円、経常利益が5.7%増の21億66百万円、親会社株主帰属当期純利益が3.4%増の14億62百万円としている。配当予想は25年1月期比2円増配の42円(第2四半期末21円、期末21円)としている。予想配当性向は40.2%となる。

 26年1月期も増益・増配予想としている。引き続きdesknet‘s NEOクラウドサービスを中心とするソフトウェア事業がユーザー数の増加に加え、24年9月以降のクラウドサービス価格改定や新セットプラン販売開始の通期寄与なども寄与して好調に推移する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

 なお株主還元については25年3月13日付で配当政策の変更を発表し、累進配当を基本方針として連結配当性向を40%目安に引き上げることとした。25年1月期より実施した。

■株価は調整一巡

 株価は上値を切り下げる形となって軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。3月19日の終値は1575円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS104円50銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の42円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS450円67銭で算出)は約3.5倍、そして時価総額は約222億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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