水・茶・炭酸水大手:好収益ライフドリンクと、足利市の協定は注目に値する

2024年11月12日 09:25

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7月31日に足利市役所において開催された締結式の様子。早川尚秀足利市長(左)と、 ライフドリンク カンパニーの神野博之執行役員生産本部長。

7月31日に足利市役所において開催された締結式の様子。早川尚秀足利市長(左)と、 ライフドリンク カンパニーの神野博之執行役員生産本部長。[写真拡大]

 昨今「防災グッヅ」といった類の文字が紙誌に目立つ。そんな中、「これも、ありだな」と思わせるニュースリリースに出会った。

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 8月2日にライフドリンクカンパニー(2585、東証プライム。以下ライフドリンク)が『足利市との「災害時における飲料供給に関する協定」の締結について』と題するリリースを発信した。

<(栃木県)足利市内で災害が発生した場合に、市からの要請により、ミネラルウォーター等の救援物資を迅速かつ円滑に調達・供給を行う協定を結んだ。今後、必要な水の供給量・供給方法、連絡体制などについて具体的な取り決めを行い・・・>が、その内容である。

 防災グッヅと一口に言っても、幅は広い。が、需要に対し供給メーカーは必ず存在する。今回のライフドリンクと足利市との協定は、防災時に備えた在り様として注目に値すると考える。

 ライフドリンクは水・茶・炭酸水などの飲料を製造、スーパー・小売業やECで販売を手掛けている。少品種・大量生産が特徴、大方の商品は内製化している。

 主だった商品は・・・

<飲料>: 天然水・緑茶・烏龍茶・炭酸水
<茶葉>: 緑茶(濃厚仕立て・強火仕上げ)・烏龍茶(中国福建省産茶葉100%)・オーガニック麦茶(有機栽培大麦使用)etc
: ZAO SODA(蔵王連峰の地下水使用)etc

 こまめな水分補給⇔熱中症予防。夏場にやはり売り上げが伸びるのだろうか・・・。ライフドリンクでは「ほぼ年間を通して」とするが、収益動向を見ると頷かざるをえない。

 2021年3月期から前期までの4期間の増収率・営業増益率は、「16.7%、194%/11.7%、62.4%/19.15%、38・4%/26.4%、51.2%」。かつこの間に配当は26円から37円に増幅。今3月期も「15.1%増収(440億円)、22.0%営業増益(57億5000万円)」計画。24年1月末時点で1:4の株式分割を行っており、11.25円配も実質増配。

 1950年に緑香園として創業、2001年1月に青峰ビバレッジの買収を契機に清涼飲料水事業に進出している。現業の深掘りに積極的。清涼飲料水子会社で生産能力の向上を検討中という。

 この間「横道?」に足を踏み出したこともある。が、調味料・チョコレート・麺類などからは撤退している。

 本稿作成中の時価は1700円台終盤。年初来安値1072円(3月)から同高値の2194円(9月)まで買われ、調整局面。2021年12月21日の上場来修正済み株価パフォーマンスは、5倍弱。4人の算出者によるIFIS目標平均株価は1626円と「しばし静観」としているが、さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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