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日本株は日銀利上げショックを乗り切れるか!?
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●日銀の利上げ決定で株価が連日の急落
日本銀行は7月31日の金融政策決定会合で、政策金利を0.25%引き上げることを決めた。為替市場では1ドル150円を割り込み、日経平均も翌8月1日と翌々8月2日の2日間で3000円も下落することとなった。
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米国もエヌビディアが約7%急落し、その他のハイテク株もつられて急落。米国も8月2日に雇用統計を控え、利上げが意識された神経質な展開となった。
これまで大きな急落が無かった日本株だが、8月2日の2216円の下落は、過去2番目の下落幅で2023年下旬以来の3万5000円台となった。
今後も利上げが警戒され、日本株は正念場を迎えることになるのか?
●植田ショックとの声も
4月の日銀政策決定会合後に行われた植田総裁の記者会見では、円安容認と受け取られ、1ドル160円まで上昇した。
植田総裁は今回の政策決定会合後の記者会見で、経済・物価が予想通りの経路をたどっていることが利上げの最大の理由と説明した。現在の金利水準が低いと言及し、さらなる値上げを示唆している。
これまでの姿勢から一変したように受け取られ、ネガティブサプライズとして捉えられた可能性がある。利上げが先行きの景気への警戒感へと繋がったかもしれない。
政府・日銀は、7月には約5兆円の為替介入に踏み切っている。岸田首相、河野デジタル相、自民党の茂木幹事長らから、利上げ要請とも取れる発言が相次いだ。
円安による物価高を嫌気する政府の圧力が、日銀の利上げに繋がったとする説もある。
●今後も下落相場が続くのか?
利上げが決定した7月31日の株式市場は575円高で終え、利上げだけが下落の原因とは言い切れない。ただこの日は、材料出尽くし感と米国の半導体規制から日本が除外されたことが好感されただけとの見方もある。
8月1日に行われたトヨタの2024年4‐6月期の決算発表では、売上・利益が過去最高を記録するなど、皮肉にも円安の恩恵を示した。
ただ多くの日本企業にとっては、円安が必ずしも恩恵を受けるわけではなく、現在のような行き過ぎた円安は利益を圧迫する側面もある。当然、家計にも悪影響があり、消費にも影響を及ぼす。
多くの企業の想定為替レートは、平均1ドル=140.88円と、まだまだ円高とは言えない。
“確トラ”“新NISA”“円安”による買われ過ぎの調整との見方もあるが、まだまだ底も見えてこないので、ナンピン買いも難しい相場でもある。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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