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30日の中国本土市場概況:上海総合0.6%安で反落、政策期待で半導体株は逆行高
*17:06JST 30日の中国本土市場概況:上海総合0.6%安で反落、政策期待で半導体株は逆行高
30日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比19.34ポイント(0.62%)安の3091.68ポイントと反落した。
米長期金利の上昇が重し。米利下げ先送り観測が強まる中、昨夜の米債券市場では米10年債利回りの上昇が続いた(一時、4週ぶりの高水準)。人民元安の進行も警戒される。米金利の上昇を受け、29日の上海外国為替市場では、対米ドルの人民元が昨年11月以来の安値を付けた。30日はやや人民元高に傾いたが、先安感は根強い。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を3日連続で元安方向に設定している。ただ、下値は限定的。中国景気の持ち直し期待が支えだ。財政部は29日、今年1~4月の国有企業・国有持株会社の利益総額が前年同期比で3.8%増加したと報告。増加率は1~3月の2.8%から1.0ポイント拡大している。また、国際通貨基金(IMF)は29日、中国の2024年GDP(国内総生産)成長率予想を上方修正した。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、不動産の下げが目立つ。金地集団(600383/SH)が4.6%安、中華企業(600675/SH)が3.8%安、緑地HD(600606/SH)が3.1%安、新城控股集団(601155/SH)が2.4%安で引けた。
石炭・石油株も安い。広匯能源(600256/SH)が2.9%、中国石油天然気(601857/SH)が2.8%、中国海洋石油(600938/SH)が2.7%、エン鉱能源(600188/SH)が2.6%ずつ下落した。
酒造株もさえない。青島ビール(600600/SH)が4.0%安、重慶ビール(600132/SH)が1.8%安、貴州茅台酒(600519/SH)と舎得酒業(600702/SH)がそろって1.5%安と下げている。素材株、公益株、医薬株、運輸株、金融株なども売られた。
半面、半導体などハイテク株は物色される。IC設計の上海貝嶺(600171/SH)がストップ(10.0%)高、半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(600584/SH)が3.5%高、電子デバイスメーカーの蘇州晶方半導体科技(603005/SH)と半導体製造装置の瑞芯微(603893/SH)がそろって2.5%高、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が2.4%高、アナログ半導体チップの中電科芯片技術(600877/SH)が2.0%高で取引を終えた。産業支援の期待が強まっている。工業情報化部など関係部門は29日、人工知能(AI)産業の発展を後押しするため、生成AIや大規模言語モデル(LLM)などの分野で業界基準策定を加速する方針を明らかにした。軍事関連株、自動車株、メディア・娯楽株も買われている。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.74ポイント(0.69%)安の250.84ポイント、深センB株指数が1.58ポイント(0.14%)安の1144.02ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)《CS》
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