28日の香港市場概況:ハンセン2.5%高で続伸、不動産と自動車に買い

2023年12月28日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 28日の香港市場概況:ハンセン2.5%高で続伸、不動産と自動車に買い
28日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比418.69ポイント(2.52%)高の17043.53ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が161.07ポイント(2.87%)高の5764.77ポイントと続伸した。売買代金は1099億4270万香港ドルとなっている(27日は992億4590万香港ドル)。


前日の好地合いを継ぐ流れ。早期の米利下げ観測や、中国企業の業績成長などが引き続き相場の支えとなっている。昨夜の米市場では、米連邦準備理事会(FRB)が2024年前半にも利下げに転じるとの見方が強まる中、主要指標のNYダウが0.1%高と4日続伸し、5営業日ぶりに終値の史上最高値を更新した。中国では、工業企業の利益総額が今年11月に前年同月比で29.5%増加。4カ月連続でプラス成長を維持し、増加率は10月の2.7%から拡大している。また、中国当局の景気支援スタンスも好材料。27日公表された第14次5カ年計画(2021〜25年)の中間報告では、内需拡大で景気回復を目指す方針――などが確認された。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄は、ほぼ全面高(構成82のうち上昇80)。個別では、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が7.4%高、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が7.3%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が6.7%高と上げが目立った。吉利汽車については、傘下の高級電気自動車(EV)ブランド「極コク(ZEEKR)」の最新モデル「007」が予約好調と伝わったことも好感されている。


セクター別では、中国の不動産が高い。上記した碧桂園服務のほか、旭輝(884/HK)が8.1%、融創中国HD(1918/HK)が8.0%、碧桂園HD(2007/HK)が6.9%、雅居楽集団HD(3383/HK)が6.3%ずつ上昇した。


自動車セクターも急伸。上述した中升集団や吉利汽車のほか、理想汽車(2015/HK)が5.6%高、長城汽車(2333/HK)が4.5%高、比亜迪(1211/HK)が4.1%高と値を上げた。


中国の保険・証券セクターも物色される。中国平安保険(2318/HK)が5.7%高、中国人寿保険(2628/HK)が4.6%高、新華人寿保険(1336/HK)が4.3%高、中国国際金融(3908/HK)が6.4%高、広発証券(1776/HK)が4.7%高で取引を終えた。保険株については、元高メリットも意識されている。28日の外国為替市場で、対米ドルの人民元は元高が進み、今年6月以来の水準に達した。


医薬セクターも買われる。康希諾生物(6185/HK)が6.9%高、薬明生物技術(2269/HK)が5.1%高、華潤医薬集団(3320/HK)が5.0%高、中国神威薬業集団(2877/HK)が3.3%高で引けた。


本土マーケットも続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.38%高の2954.70ポイントで取引を終了した。消費関連株が高い。不動産株、ハイテク株、素材株、インフラ関連株、医薬株、保険・証券株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。公益株、銀行株、海運株も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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