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2024年はマイナス金利解除で円高になるのか!?
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●日銀・植田総裁発言で円高に
7日に開催された参院財政金融委員会における日銀・植田総裁の発言を受けて、マイナス金利解除への思惑から円高が進み、翌8日の日経平均は550円安と大幅に下落した。
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7日(日本時間8日未明)のニューヨーク市場でドル円は5円高となり、一時8月上旬以来となる141円60銭付近まで上昇する場面があった。
7月の日銀金融政策決定会合で、長期金利操作(イールドカーブコントロール、以下YCC)を柔軟化すると発表されて以降も株価は上昇し、円安も150円を超えるなど、円安・株高傾向が続いていた。
2024年はマイナス金利解除で円高・株安傾向となるのだろうか?
●植田総裁の発言内容
植田総裁は答弁で、「チャレンジングな状況が続いているが、年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況となる」と発言した。
物価目標達成の見通しが立てば、マイナス金利の解除、YCCの見直しも視野に入るという踏み込んだ発言もした。
市場からは植田総裁の発言を受けた一連の動きについて、「チャレンジングショック」との声も出ている。
植田総裁の意図は不明だが、「チャレンジング」という言葉が英語では「問題山積」「困難な状況」という意味を含むため、日本語での「挑戦的」という前向きなニュアンスでは伝わらなかったという説もある。
●2024年は円高・株安?
物価高が続いていること、円安に歯止めがかからなかったことを考えれば、先進国で唯一と言ってもいい金融緩和・低金利を続けるには限界があることは、想像に難くない。
しかし、米国のようなペースで利上げを続けることは容易ではなく、様々な外部環境を考慮しながら進めないと、副作用が大きい。
金融緩和を進めていたからこそ、日経平均が好調だったということもあり、引き締めに向かうと海外投資家の売りが入ることも警戒しなければならない。
米国ではインフレの収束傾向が出始め、景気悪化の兆候もあり、利下げの議論に向かおうとしている。ECBも来年の利下げが囁かれている。
他国が利下げに向かう中、日本だけ利上げとなると、円買いが急速に進む恐れがある。思惑が先行して円高・株安となれば、利上げができなくなることも考えられ、せめぎ合いが続く2024年となりそうだ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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