【QAあり】サーバーワークス、上期業績は子会社を含む主要3社で大幅成長を達成 為替相場の好影響も加味し、業績予想を上方修正

2023年10月21日 09:19

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記事提供元:ログミーファイナンス

【QAあり】サーバーワークス、上期業績は子会社を含む主要3社で大幅成長を達成 為替相場の好影響も加味し、業績予想を上方修正

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業績予想の修正 2024年2月期 -連結- 業績予想の修正(2023年10月13日公表)

大石良氏(以下、大石):みなさま、こんにちは。サーバーワークスの大石です。本日は当社の決算説明会にご参加くださいまして、誠にありがとうございます。私から、2024年2月期第2四半期の決算の内容についてご説明します。

まず、サマリーです。第2四半期の決算発表に先立ち、通期決算を上方修正しました。スライドに記載のとおり、サーバーワークス、G-gen、トップゲート、グループ主要3社がともに予想を上回って推移しています。

また、円安の影響等もあり、前回の説明会では売上高は226億9,300万円と発表していましたが、254億9,500万円に上方修正し、経常利益は前回3億9,600万円と発表しましたが、5億9,500万円に上方修正しています。

業績ハイライト 2024年2月期 第2四半期 –連結-

第2四半期の業績です。売上高は前年同期比176.4パーセントの124億8,000万円となりました。こちらにはトップゲートの連結が入っていますので、Apple to Appleではありませんが、それでも順調に成長しています。営業利益は前年同期比120.2パーセントの4億300万円で着地しました。

サーバーワークス単体の売上高は106億2,000万円、営業利益は4億5,700万円で着地しています。

G-genも、売上高が前年同期比でほぼ9倍の数字にあたる6億6,600万円となり、非常に大きな成長を遂げています。一方で、まだ立ち上げたばかりということもあり、営業損失が2,600万円出ている状況です。

トップゲートのPMIも順調に進んでいます。売上高は12億2,000万円、営業利益は2,400万円となり、トップゲートも黒字に転じて、きちんと利益貢献ができる体制になりつつあるということがご理解いただけると思います。

業績ハイライト 2024年2月期 第2四半期 –連結-※主要科目の前期比較表

単体と連結で表記を分けた業績のハイライトについてです。サーバーワークス単体での売上高は106億2,000万円、連結で124億8,000万円となりました。営業利益は単体で4億5,700万円、連結ではまだ赤字の子会社も連結されていますので、4億300万円での着地となりました。

主要トピックス

サーバーワークスの主要トピックは2つあります。まず1つ目に、パーソルクロステクノロジーさまと合弁でパーソル&サーバーワークスを設立することを先月(8月)末に発表しました。

こちらの意図に関しては、先んじて「AWSさまとSCA(戦略的協業契約)を結んだ」というアナウンスを出しています。その中で、4つのイニシアチブと呼ばれる注力領域があります。

中でも特に力を入れているのが、スライドの4番目にある「デジタル人財育成のさらなる強化」になります。こちらは、AWSさまと一緒にクラウド人財をどんどん輩出していこうという取り組みになります。

このイニシアチブにもとづいて、人材大手のパーソルクロステクノロジーさまと共同で優秀な人財を育成し、AWSエンジニアとして、当社だけでなく当社のお客さまにも派遣していきます。このような会社を共同で設立するというアナウンスを出しています。

こちらは派遣業になります。免許の取得等が必要になりますので、営業開始は少し先になりますが、2024年4月の営業開始に向けて準備を進めているところです。

主要トピックス

主要トピックスの2つ目です。私どもの主要な子会社であるG-gen、トップゲートの2社が、先月行われた「Google Cloud Next」というイベントで、ワールドワイドで表彰されました。

G-genは非常に高い成長率を遂げたということで、「ブレークスルー パートナー オブ ザ イヤー」を受賞しました。トップゲートは「Google Cloud」のソリューションの組み合わせに秀でた会社ということで、「サービス パートナー オブ ザ イヤー」を受賞しました。

数字からもおわかりいただけるとおり、「Google Cloud」も堅調に成長しており、AWSと「Google Cloud」を両方使えるという当社の強みが活きているのではないかと自負しています。

売上高の推移 -連結-

四半期ごとの売上の推移です。先ほど「売上高の前年同期比177パーセントというのはApple to Appleではない」とお伝えしましたが、それを表しているのがこちらのスライドになります。

棒グラフは売上高の推移を表しており、会社ごとに色分けしています。2023年2月期第2四半期はトップゲートとまだ連結していないため、前年同期比で成長率が非常に高く出ています。しかし、子会社の連結がなかったとしても、非常に高い成長を維持できていることがおわかりいただけるのではないかと思います。

売上高の推移 -製品・サービス区分別-

製品・サービス別の連結の売上高推移です。先ほどお伝えしたとおり、トップゲートが連結されていますので、クラウドインテグレーションの数字が大きくなっているということがおわかりいただけると思います。

クラウドインテグレーション、リセール、MSPのすべてのカテゴリーにおいて順調に成長しています。

製品・サービス区分別 -売上高前期比較表-

製品・サービス区分別の売上高をもう少し細かく数字で示したものになります。クラウドインテグレーションはトップゲートとの連結により、前年同期比252.8パーセントとなりました。

製品・サービス区分別 -各社構成比-

製品・サービス区分別の各社構成比です。リセールも各社で順調に伸びています。このように主要なストックビジネスが堅調に伸びることで、高い成長が維持できていると考えています。

クラウドインテグレーション -各指標の推移-

クラウドインテグレーションも堅調に推移しています。プロジェクト単価もトップゲートとの連結により、非常に高くなっていることがおわかりいただけると思います。

リセール -為替レートの推移-

リセールの売上高を決定づける要因として為替レートがあります。スライドは為替レートの推移になります。円安が進むとリセールの売上高がやや高く出る傾向があります。一時期円高に向かいましたが、比較的高いレベルで推移していることがおわかりいただけると思います。

私どもは、2023年3月あたりでもう少し円高に推移すると想定してガイダンスを出しましたが、実際にはかなり円安に振れたということもあり、今回上方修正を行いました。

リセール -リザーブドインスタンス・Saving Plans-

スライドのチャートは、ドルベースのAWSの利用料になります。こちらのチャートは私が決算説明会のたびに必ず使っているものになります。この数字がしっかり伸びているかどうかが、私たちの今後の成長を決定づける非常に重要なポイントになっています。

ご覧のとおり、グラフの薄い黄色の部分が示すAWSの利用料がしっかり伸びているということで、今後も高い成長が維持できるのではないかと考えています。

リセール -AWSアカウント数・ARPUの推移-

リセールの売上高を分解した、AWSアカウント数とARPUの推移です。説明会で何度かお伝えしていますが、ARPUに関してはあまり高すぎるのは好ましくないと考えています。

私どものコンサルティングサービスでも、どのようにお客さまのAWS利用料をうまくセーブするかといったコンサルティングを、非常に強く推し進めています。しかし、お客さまのほうで、AWSにどんどんいろいろなシステムやデータを載せていくという動きが進んでいることもあり、単価はしっかり上がっている状況です。

アカウント数に関しては、伸びれば伸びるだけ成長するため、今後も順調に成長できるように取り組んでいきたいと考えています。

LTV(顧客生涯価値)

こちらのスライドは、私が好んで使っているLTV(顧客生涯価値)のチャートです。私どものビジネスは、SaaSのビジネスモデルと非常に近いものがあります。過去に契約していただいたお客さまが、それぞれの年次で私どもにどのくらいお支払いいただいたかによって売上高が決まってきます。

ご覧のとおり、昔に契約していただいたお客さまも、少しずつですが私どもに継続してお支払いいただいています。これにより、私どもがきちんと成長を維持できているということが、この地層のようなチャートからおわかりいただけると思います。

営業利益の前期比増減要因分析

営業利益の前期比比較です。このような細かいチャートもご用意していますので、必要な方は当社ホームページからダウンロードして分析に用いていただければと考えています。

グループ人員数推移

グループ人員数の推移です。私どものビジネスは、リセール、MSPに関してはそこまで労働集約的ではありませんが、入口部分のインテグレーションに関しては労働集約的なビジネスになっていますので、やはり優秀なエンジニアの確保が欠かせなくなっています。

そのため、私どもは強気の採用計画を出し、きっちり必要な人員を採用していこうという計画を立てていますが、現在順調に採用できていると思っています。

エンジニア不足が非常に騒がれる中で、なぜ私どもがしっかり計画どおりに採用できているのかについては、この後、もう少し深掘りしてご説明します。

最新情報

補足として各社のトピックスになります。サーバーワークスでも新しい事例が出てきています。

エンジニアのAWS資格取得推進

社員数の増加に伴い、AWS認定資格取得者も増えています。

最新情報

G-genにも新しいトピックスがあります。デジタル庁さまの「ガバメントクラウドのテンプレート開発支援業務(令和5年度)」を受注しています。サーバーワークスでも「デジタル庁さまの案件を受注した」と発表していますが、この「Google Cloud」の案件は、私どもの主要子会社であるG-genが受注しています。

デジタル庁さまとしても、同じテンプレートを作るのに、AWSと「Google Cloud」でまったく違うものが出てきては困ってしまいます。そのような中で、私どもはAWSと「Google Cloud」の両方を使える強みをデジタル庁さまに明確にアピールでき、その結果私どもが落札できたと考えています。

案件数・有資格者の推移

案件に加え、資格の取得者数も順調に増えています。特にG-genは技術ブログが非常に有名になっており、「『Google Cloud』の世界で新しい知見を得ようと思ったら、G-genのブログが一番早かったり正確だったりする」という評判も最近出てきていると聞いています。

取引実績の推移

トップゲートも順調に成長しており、新しいお客さまのロゴをスライドに掲載しています。

働きやすい環境の整備

先ほどお伝えしたとおり、株主や投資家のみなさまからも「なぜサーバーワークスでは順調に採用できているのか?」と非常に多くの質問をいただくため、今回から補足資料として掲載しています。

一言で表すと、過去10年以上にわたって「働きやすさ」に着実にコミットしてきた結果ではないかと考えています。そもそもサーバーワークスは、「クラウドで、世界を、もっと、はたらきやすく」というビジョンを掲げています。

これを実現するためには、まず私たち自身が働きやすい会社になっていないといけません。そこで、投資や取り組みを非常に多く続けてきました。

私どもは、テレワークやリモートワークについても実はコロナ禍前から行っていました。現在コロナ禍がかなり収まりを見せていますが、このような中でもテレワーク・リモートワークは今までどおり継続しています。

これにより、地方在住の優秀な人財が獲得できています。最近、地方のIT企業はどうしても出社を戻す動きが出てきているそうです。

しかし、エンジニアは「出社しなくても仕事ができる」と気づいてしまっています。加えて、サーバーワークスという東京の会社がリモートでも採用しているのです。給与は東京水準で、AWSや「Google Cloud」という最先端のクラウドの技術を学びながら身につけることができます。

「これであれば転職したほうがよいのではないか?」と気づいているわけです。このような方々へのアプローチが奏功し、堅実な採用ができているのではないかと思います。

スライド右上に「日経トップリーダー掲載」と記載があります。私どもの働きやすさ、働きがい等について、「日経トップリーダー」さまからも取材していただいていますので、ご興味のある方はご覧いただければと思います。

働きやすい環境の整備

もう1つは、会社に入る前に事前に他の人の評価を見ることができる「OpenWork」というサイトがあります。これは、候補者にとっての「食べログ」のようなサイトです。ここで、8,045社中8位にランクインしました。

このようなランキングサイトは、一般的に辞めた人が書くことが多いそうです。辞めた人というのは、基本的に会社に不平不満があって辞めるケースが多いため、このようなランキングもどちらかというと悪いことが書かれやすい状況です。

その中でも、サーバーワークスは辞めた方も含めてかなりポジティブなことを書いていただいています。辞める時には事情があって辞めているため、私どもは丁寧に一人ひとりと向き合って、会社に問題があればそれを適切に是正していきます。

また、問題がなくても、個人的なチャレンジのために辞める方も相当数いらっしゃいますので、そのような方々とのコミュニケーションもしっかりと行ってきました。

このようなことが、結果的に非常にポジティブな評価につながり、新しい優秀な方の採用につながっているのではないかと私は理解しています。

このような情報は、投資家や株主のみなさまの目にはなかなか触れない情報だと思いますが、私どものこのような取り組みや実績が候補者の方の目に触れるようになり、それが採用力につながっているのではないかと私は理解しています。

私からの説明は以上です。ご清聴いただき、ありがとうございました。

質疑応答:パーソル&サーバーワークスの設立背景について

司会者:「パーソル&サーバーワークスを新しく作るとの説明がありましたが、SCAに対応するためだけに設立されるのでしょうか? 他にもニーズやサーバーワークスとしての狙いがあって設立するのであれば、背景などを聞かせてください」というご質問です。

大石:「SCAのためだけなのか?」というご質問に対しては「そうではありません」ということがお答えになります。そもそもサーバーワークスは、クラウドインテグレーターを標榜していますので、新しい働き方や新しい取り組みにチャレンジしています。

少し言葉を選ばずに言いますと、IT企業は昔から客先常駐や偽装派遣と呼ばれるような、派遣に近い状態で就業することが商慣習としてまかり通っていました。

私たちは「それはなしだろう」と考えており、サーバーワークスのエンジニアは偽装派遣を行っていません。サーバーワークスという会社の中で、もしくはテレワーク・リモートワークで着実に仕事ができると約束し、優秀なエンジニアを採用しています。

これは採用の点では非常にポジティブですが、一方お客さまにとっては、私たちに仕事を頼む時に都度発注しなければなりません。毎回プレスオーダーをするという手間がかかります。

もし隣に優秀なエンジニアがいてくれれば、すぐに口でオーダーできて、すぐに対応してもらえて助かります。そのため、エンジニアを常駐させてほしいというニーズがかなり昔からありました。

私どもはここについて折り合いをつけたいと考えています。必要悪というと少し語弊がありますが、お客さまのところに常駐してほしいというニーズが確かにあります。一方で、レベルの高いエンジニアが明確な働きやすさや働きがいを求めて就職することも必要だろうという理解です。

パーソルクロステクノロジーさまは、クラウドという新しいマーケットにチャレンジしたいと考えています。サーバーワークスとしては、今までお客さまからあった「常駐してほしい」というニーズに応えられるほか、SCAでAWSと一緒にコミットして、人材育成にもつながるということで、よりスケールしやすいビジネスと考えています。

これらが両立できるため、パーソルクロステクノロジーさまと手を組み、パーソル&サーバーワークスを設立することに至りました。そのため、もともとあったニーズに対応するために設立したとご理解いただけると、一番正確かと思います。

質疑応答:営業利益の上方修正について

司会者:「今回の業績予想の修正に関して質問です。営業利益が3.7億円から5.3億円に上方修正されています。AWSとの提携による先行投資により、営業利益が抑えられるとのことでしたが、この投資がうまくいっていないのでしょうか?」というご質問です。

大石:「投資がうまくいっていないのか?」については、私どもはすでに投資を始めており、今回の投資を踏まえてもそれを上回るかたちで、サーバーワークス、トップゲート、G-genの3社とも業績が上振れました。

これに加え、円安によって多少ですが利益がプラスされたため、今回の上方修正に至りました。みなさまもご存知のとおり、円安の部分は100パーセント実力とは言えないところもありますので、より実力をつけていきたいと考えています。

子会社については、着実に売上が上がってきています。トップゲートはどちらかといえば利益体制になってきており、G-genも少しずつではありますが、利益を生み出せる状況になってきています。このようなミックスにより、着実に利益が生み出せる状況になっていると理解しています。

質疑応答:「Google Cloud パートナー オブ ザ イヤー」の受賞インパクトと選考基準について

司会者:「G-genとトップゲートのダブル受賞について、どれくらいのインパクトのある賞で、どのような選考基準から選ばれたものになりますか?」というご質問です。

大石:グローバルでのイベントのため、SNS等でも広く取り上げられることが多く、インパクトのある賞だったと理解しています。実際に表彰された時に、私も複数の方からSNS等で「おめでとうございます」とメッセージをいただきました。その程度にはインパクトがあったと思っています。

表彰の基準は、Googleさまがオープンにしていないため、私どもは条件やロジックについて100パーセントは理解していないというのが率直な答えになります。

ただし、G-genは立ち上げたばかりですが、売上高が前年同期比で約9倍という伸びを示しています。トップゲートはもともと「Google Cloud」のマーケットで国内2位のポジションにいたということもあり、それぞれ表彰に値するパフォーマンスをGoogleさまにも市場にも見せることができました。その成果なのではないかと私は理解しています。

質疑応答:採用状況について

司会者:「採用状況を確認させてください」というご質問です。

大石:こちらは事前にいただいていたご質問かもしれませんが、先ほどお話ししたとおり、採用は順調に進んでいます。順調な理由は、地方の優秀層の採用が非常にうまくワークしているからだと思っています。

テレワーク・リモートワークの取り組みについて先ほどお話ししましたが、「日経トップリーダー」さまの記事の中にもあるとおり、私も並々ならぬ努力やさまざまな工夫を行ってきました。

例えば、ふだん私どもは「Slack」というSNSを使い、社内のコミュニケーションをしています。こちらを導入したのが2014年4月になります。おそらく、私の知る限り日本で一番早いのではないかと思います。

「Slack」を使う中でも、「口頭のコミュニケーションとテキストのコミュニケーションは別物だ」と理解しています。社内SNS特有のコミュニケーションを円滑にするためのガイドラインなども作り、しっかりとみんなで守ってきました。それが円滑なコミュニケーションにつながっています。

テレワーク・リモートワークでは「人と仲良くなることがなかなか難しい」「クリエイティブなことが難しい」とよく耳にしますが、確かに難しいです。難しいことに間違いありません。フェイストゥフェイスで会えば100パーセントとすると、テレワーク・リモートワークは60パーセントや70パーセントなど、どうしても制約を受けてしまいます。

その中でもやれることはかなりあると思っています。おそらく多くの方が、テレワーク・リモートワークで、どうしたら円滑な人間関係を構築し、コミュニケーションを作ることができるのかというノウハウを蓄積する時間がないまま、すぐに「じゃあ出社に戻そう」といった流れになっているのではないかと私は理解しています。

しかし、働く方々はすでに気づいていますので、そこに会社が合わせていき、優秀なエンジニアをしっかりグリップしていくことが必要です。もちろんITに限らないことですが、これからのIT企業には特に求められるオペレーションではないかと理解しています。

これが決定打というものがあるわけではありませんが、このような取り組みが少しずつ積み重なり、働きやすい環境につながっていき、採用力にもつながっているのではないかと私は理解しています。

質疑応答:G-genに入社した黒須義一さまの役割について

司会者:「最近リリースを拝見しましたが、Google Cloud Japanにいた黒須義一さまという方がG-genに入社されました。具体的にどのような役割となるのでしょうか?」というご質問です。

大石:元Google Cloud Japanの黒須さまという、パートナーでそれなりのポジションにあった方を、G-genのCRO(Chief Revenue Officer)として招聘しました。すでに10月に着任しています。

黒須さまは「Google Cloud」の日本国内のコミュニティ「Jagu'e'r」を立ち上げた方です。コミュニティの中でもかなり知名度があります。

そのような方がG-genに来るということで、SNS上でも非常に話題となっていました。実際に黒須さまの参画が決まった際、黒須さまの「Twitter」(現『X』)に「いいね」が1,000以上ついたという話も聞いています。それだけ注目度も高かったのではないかと思います。

私どもとしてはこのように注目されている人を、耳目を集めるために採用したわけではありません。彼が3社ほど前の事業会社に所属されている時からの知り合いで、ずっと仲良くしていました。

いろいろな会話をする中で、G-genが非常に伸びていることもお伝えしました。当然Googleさまの中に入れば、G-genがものすごく伸びているということはわかると思います。

その伸びは、しっかりと実のある伸びです。良いメンバーがいて、株主がそれをしっかりサポートする体制があり、伸びるべくして伸びているという状況を見てきたからこそ、彼がCROとしてジョインすることを決断してくれたのではないかと私もうれしく思っています。

彼の役割は、CROという名前のとおり売上に関することです。特にG-genは、しばらくはサーバーワークスと同じようにトップラインを伸ばしていく予定です。

トップラインを伸ばしていき、仮にマーケットがある程度限界に達し、これ以上の成長が見込めなくなった時に、オペレーションを少し変えて利益を出す体制にすることで、利益の絶対額が増えると考えています。

しばらくはトップラインをしっかりと追いかけて成長し、将来的に大きな利益を生み出すようなベースカーブを作ってもらう、そのような責任を負っていただく予定です。

質疑応答:円安が与える影響の良し悪しについて

司会者:「まだまだ円安が続いていますが、御社の事業にとって良い・悪いで考えるとどちらになりますか?」というご質問です。

大石:基本的には為替レートはマーケットが決めることですので、良い・悪いを論ずることは難しいです。私どものビジネスとしては、本当はもう少し円高のほうがさらに伸びるのではないかという感覚ではあります。

円安になると、売上率も利益率も変わりませんが、絶対額が多少増えます。瞬間的には好ましいのですが、お客さまから見ると海外製のクラウドが割高に見えてしまうわけです。

今の水準であればまだ維持可能だと思いますが、例えばさらに円安が進むと「海外のクラウドを使うよりも、別の選択にしたほうがもっと安くなるのではないか」というおかしな話になりかねないと危惧しています。

もちろん、私どものコンサルタントがお客さまとAWSの購入オプションについて会話したり、AWSのアーキテクチャを見直すことでコストを削減するコンサルティングを提供したりもしていますが、この範囲を超える円安水準は好ましくないと思っています。

ただし、あまり円高になりすぎても好ましくないことは事実ですので、できるだけなだらかに、今より少し円高の水準だと本当はより伸びるのではないかと考えています。

質疑応答:G-genが黒字化した場合の利益率について

司会者:「G-genがもう少しで黒字化という状況ですが、資料によるとリセール売上の構成比が高いため、この先、黒字化したとしても高い利益率は見込みづらいという理解でよいでしょうか?」というご質問です。

大石:ご指摘のとおり、リセールは例えばサーバーワークスのMSPなどに比べると、利益率が低いことは事実です。

一方で、G-genは立ち上げてそこまで時間が経っていませんので、エンジニアのヘッドカウントも限定的です。採用も少しずつうまくいき始めていますし、G-genという名前も「Google Cloud」のマーケットで売れ始めている状況です。

このような中で、人もしっかり増えてくると、インテグレーションのビジネスも取れるようになっていきます。加えて、Googleなども進んでいけば、その後の保守・メンテナンスとしてMSPサービスも需要が出てきます。

全体で見ると利益率がそこまで急激に上がることはありませんが、これから成長に伴い、サーバーワークスと同じようにインテグレーションやMSPで利益の絶対額を稼ぐようになっていき、結果として利益の総額は増えていくのではないかと期待しています。

サーバーワークスもG-genも一緒で、率で見るとどうしても限定的に見えてしまいますが、やはり利益の絶対額がこれから重要な指標になってくると理解しています。ぜひそのような視点でご覧いただけると、私どもも大変ありがたいです。

大石氏からのご挨拶

みなさま、本日は決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございました。今、中東情勢等で不確実な状況がより広がっていると認識されており、市場も少し荒れ模様です。

クラウドや生成AIのような新しいテクノロジーは、震災時やその後の幾多のイベントなど、不確実性が高まった状況の時にこそ、どのような場所でも仕事ができ、不確実な状況により対応しやすくなるというITのフレキシビリティをビジネスの世界に提供する存在なのではないかと理解しています。

不確実な状況こそ成長余地があると理解していますので、ぜひ株主のみなさま、投資家のみなさまにも、そのような視点でこれからも私どもを応援していただければと考えています。本日はご参加いただき、誠にありがとうございました。

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