味の素と第一三共、医療関係者・介助者向けサービスで協業 第1弾は献立支援

2023年10月12日 16:55

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味の素と第一三共の協業イメージ(画像:味の素の発表資料より)

味の素と第一三共の協業イメージ(画像:味の素の発表資料より)[写真拡大]

  • ReTabellサイトの活用イメージ(画像:味の素の発表資料より)

 味の素と第一三共は10日、医療関係者や介助者向けサービスの創出を目指した協業に合意したと明らかにした。食と栄養に関する課題解決支援サービスの展開を想定しており、9月21日に協業基本合意書を締結した。協業第1弾として、味の素が開設した、要介助者の摂食をサポートするAI搭載献立支援サイト「ReTabell(リタベル)」の普及を共同で進める。

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 ReTabellは、要介助者の体調に合わせたレシピが検索できる、医師や薬剤師などの医療関係者と介助者向けのWebサービス。「食欲がない」「吐き気・おう吐がある」「においがいや、しない」「噛みにくい、飲み込みにくい」など、要介助者の体調変化に応じたレシピを提供する。疾病の治癒や体調改善ではなく、摂食サポートを目指している。サイトでは、前述のような要介助者の体調と今日食べた食品を選択すると、おすすめの献立が表示される。

 味の素と第一三共は、サービス提供に先立ち、関係者に対して事前調査を実施。その中で要介助には、加齢や薬の副作用などで食欲不振や嗜好の変化が生じ、摂食に関する困りごとが起きていると判明。放置すると栄養摂取が不十分になり、治療に影響を及ぼすが、介助者なども要介助者と食事について話をする機会が取りづらい状況があることもわかった。そこで、要介助者の体調に応じた食事提供をサポートするReTabellの展開に至ったという。

 サイトには、摂食の困りごとに対応するAIを搭載。栄養関連学会のガイドラインに準拠した、特許取得済みのAIアルゴリズムを実装した。掲載レシピのベースには、味の素が運営するレシピサイトのデータ・情報を用いている。

 味の素は、2030年に向けた中期経営方針の中で、ありたい姿の1つとして「10億人の健康寿命を延伸」を目標に掲げている。今回の協業では、食品・アミノ酸製品の研究・開発力などと共に、生活者との接点を強みとして提供する。

 対して第一三共は、医薬品の研究・開発力などのほか、強みを持つ医療関係者との接点を軸に協業を行う。同社は2030年ビジョンの中で、「Healthcare as a Service(HaaS)」へ注力する旨を明示。データや先端技術を用いた、個人に寄り添った健康・医療サービスの提供を目指している。今回のReTabellもその1つと位置付けており、得られたデータなどを活用した新規ソリューションの展開も見据えている。

 両社は今後、今回の協業を通じて得た顧客情報や解析データなどを活かし、新製品やサービスの社会実装を目指していく方針だ。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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