乱高下する原油価格の行方は!?

2023年10月9日 16:07

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●米WTI原油先物価格が急落

 米WTI原油先物価格は10月4日、前日比1バレル5ドル以上の下落となった。翌5日も下落し、82ドル台まで下落している。

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 9月は一時、1バレル=95ドル台まで上昇し、100ドルを超えるのも時間の問題と見られていたが、急降下した。

 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国で構成されるOPECプラスの既存の減産枠に加え、サウジアラビアとロシアは、年内に独自の減産を実施すると公表しているにも関わらず下落した。

 原油需要の大きい中国やインドでの需要が伸び悩んでいることなどが大きな原因と見られているが、年末にかけてどうなるのだろうか?

●リビアの洪水、ナイジェリアとイランの生産増も影響

 北アフリカのリビアでは9月10日からの大雨により、上流の2つのダムが決壊。街が大洪水に見舞われ、数千人が死亡し、数万人が行方不明となる大惨事となった。

 リビアは、日量100万バレルを超える世界トップ20以内の産油国だ。多数の港湾で輸出が不可能となったことにより、WTI原油価格は約2%以上値上がりするなど、大きな影響が出ていた。

 ロイター通信の調査では、ナイジェリアとイランが大幅増産したという報道があり、4日には米エネルギー情報局によるガソリン在庫が増加したという発表により、原油価格が急落した。

●先行きは?

 これからは米FRB(連邦準備制度理事会)の利上げが、原油価格にも大きな影響を与えるだろう。そして原油価格もまた、FRBの利上げに大きな影響を与える。

 10月6日に発表された9月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想を大きく上回る前月比33万6000人増となり、米国景気が決して悲観する状況でないことが証明された。

 雇用統計発表後にWTI原油先物は買いが入った。

 原油価格はインフレ率にも大きな影響を及ぼし、1バレル90ドルを超えるとインフレ加速に拍車がかかると懸念される。

 FRBの利上げは、年内にもう1回あると見られているが、利上げで原油価格が下落する場面もあるだろう。

 年内は米国の利上げ、UAWのスト、イスラエル情勢、サウジアラビアとロシアの動向など、様々な要素が原油価格に影響しそうである。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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