逆の立場からの視点が大事 新車購入時に注意したいグレードと塗色

2023年10月3日 16:21

印刷

 Photo: 関西エリアでは「白」「黒」「シルバー」が圧倒的に多い ©sawahajime

 Photo: 関西エリアでは「白」「黒」「シルバー」が圧倒的に多い ©sawahajime [写真拡大]

 ビッグモーターの不正問題で、中古車業界に対する不信感が蔓延したと思う。こんな会社の為に、業界全体の評価が貶められるのは残念なことだ。

【こちらも】日本国内では無駄な車の装備

 同社の様な悪徳業者の、数々の不正行為は例外として、中古車に関する色々な疑問点を、ユーザーの視点と業者側の事情を勘案して検討して見たい。

●新車購入時

 新車を購入する場合には、その車を代替する際に、下取りした側のディーラーや中古車業者の立場、また、その車が中古車になった際に、その車を購入検討するユーザーの立場になって考えて見ると良い。

 極めて稀に、乗り潰す人もいるが、新車購入者は一定サイクルで新車に代替する筈だ。

●最上級車種グレードを選択

 新車購入する際には、予算が許すなら最上級グレードのモデルを購入しておくことをお勧めする。

 次回の代替に際して、「下取り価格なんか気にしない」といった少数派を除けば、次回の購入時には、出来るだけ差額が少ないに越したことは無い。

 本当に趣味だけで車を選び、無駄な装備にコストを掛けたく無いと言った、割り切ったユーザーで無ければ、装備は潤沢で豪華な方が良いに決まっている。

 その意味では、最上級グレードは一番満足度が高い。

 そして、その車が中古車になった場合、より多くの中古車購入を検討し、探すユーザーにアッピールするからだ。その結果、下取り価格も有利になることは、軽視出来ない。

 中古車を探すユーザーは、最上級グレードであれば、下位グレードに設定が無く、どうしても欲しい装備を「後付け」して余計なコストを掛けなくて済むから、装備の充実したグレードを選ぶ傾向が強い。

●不人気車種

 人気車種があれば不人気車種もある。

 次回の代替で、下取り価格が気になるのなら、敢えて不人気車種を選ばずとも、自身が妥協出来る範囲内の人気車種を購入すれば良い。

 しかし他人が何と言おうと、気に入った車を、妥協せずに選ぶなら、銭金を問わずに決定出来る富裕層以外には、次回代替時の下取り価格が不利になることを十分認識しておく必要がある。

 そんな車種は殆どの場合は、「乗り潰す」つもりで購入し、マニアックな仲間内でユーザー間での売買くらいが処分方法となるだろう。

●ボディカラー

 筆者の居住エリアでは、乗用車のボディカラーは大多数が「白」「黒」「シルバー」である。

 「譲れない好みのボディ塗色」が無いなら、この3色から選んでおけば無難である。

 カタログに採用されているシンボルカラーは、メーカーとして「推し」のカラーだから、嫌いで無ければこれを選択するのは賢い選択だ。

●不人気色は価格差をつけても処分する

 同年式、同グレードで、コンディションも同等、走行距離も同等で、ボディ塗色が人気色と、不人気色があれば、人気色の車の売れ足は速い。

 例えば、塗色だけが異なる2台の「人気色車」と「不人気色車」で在庫期間が3カ月の差があるなら、「不人気色車」の場合、その間の駐車場代金分を値下げして早く在庫処分をする。

 周辺の月極駐車場代が2万5,000円/月なら、3カ月在庫になってしまえば負担は 「7万5,000円プラス毎月の査定価格の値下がり分」になる訳だから、展示車に7万円程度の価格差をつけておけば、割安に感じて買って行くユーザーもいる。

 中古車販売価格差をつける為には、下取り価格をそれだけ引き下げておく必要がある。

 そんな訳で、こだわりが無いなら、新車は人気色の車を購入すべきだろう。また、中古車なら不人気色車を選べば割安な買い物となる。

 新車を買う時は、その車が中古車となって売り出される場面を想像し、中古車を買う時は、どちらかと言えば、「孫取り」(中古車を買う際に、今まで乗っていた中古車を下取りに出す)を想定するよりも、乗り潰すことを前提に、好みの車を選ぶと良いだろう。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事