NYの視点:米9月FOMCへの金利の行方は依然不透明、重要指標を見極めへ

2023年8月10日 07:37

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記事提供元:フィスコ

*07:37JST NYの視点:米9月FOMCへの金利の行方は依然不透明、重要指標を見極めへ
米国の7月消費者物価指数(CPI)は伸びの鈍化が維持できるかどうかが焦点となる。前月比では6月と同水準の伸びが予想されている。米連邦準備制度理事会(FRB)が注視しているエネルギーや食品を除いたコアCPIも前年比で+4.7%と、前月の+4.8%から伸び鈍化が予想されているものの、依然目標2%を上回る。インフレが想定通り鈍化しなければ追加利上げの可能性は残る。6月と同様に想定以上にインフレが鈍化した場合は、9月の利上げ見送りの確率が高まることになる。

パウエル議長は6月の想定以上のインフレ鈍化を歓迎すると同時に、利上げ終了にはこの傾向が継続することが必要だと慎重姿勢を維持したる。連邦公開市場委員会(FOMC)で議長や副議長と同様に影響力のあるNY連銀のウィリアムズ総裁はNYタイムズ紙とのインタビューで、「現在の金融政策は必要である水準にある」と、ピーク金利の修正が必要かどうか、また、どの程度の期間、ピーク金利を据え置くかどうかはデータ次第だ、との考えを示した。

ウィリアムズ総裁は一段の利上げが必要かは議論の余地があると、タカ派姿勢を弱めた。もし、インフレが減速した場合、2024年か2025年に実質金利が一段と上昇しないように利下げする必要があるかもしれないと述べた。

タカ派で知られる米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁も「当面この水準を維持する必要があるものの、もし、経済にサプライズがなければ、利上げ終了することが可能になる」との考えを示している。

利上げ終了が近づくなか、7月CPI後も、9月19日、20日に開催される次回FOMCまでにはまだいくつかの重要指標の発表がある。このため、今後の金融政策への不透明性は当面くすぶる。

■9月FOMCまでに発表予定の重要指標
8/30:4-6月期GDP改定値
8/31 :7月PCE物価指数
9/1 :8月雇用統計
9/13 :8月CPI
9/14 :8月PPI《CS》

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