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NYの視点:FRBのピーク金利予想ほぼかわらず、市場予想との乖離再び広がる
*07:36JST NYの視点:FRBのピーク金利予想ほぼかわらず、市場予想との乖離再び広がる
連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を市場の予想通り0.25ポイント引き上げ、4.75-5.00%に決定した。声明では、「労働市場の伸びは加速。最近力強さがさらに増した」←「労働市場は力強い」と、労働市場の判断を上方修正。
しかし、前回の「利上げ継続が適切である」から、「委員会は2%の目標達成のために金融政策においていくらかの追加引き締めが適切となる可能性が強い」に修正し、必ずしも利上げを行わない可能性も残した。会合後の会見でパウエル議長は、信用ひっぱくを受けて、0.25%利上げと同時に声明文言を変更したと説明している。これにより、金融市場の展開次第では利上げ停止することもあり得る。
同時に、インフレの最近の展開を歓迎したものの、まだ圧力があり依然高く、長期目標の2%を大幅に上回っているとの見解で、追加利上げの必要性を示唆。また、この会合で利上げ停止も協議したが、「利上げが強いコンセンサスだった」とした。また、「年内の利下げを予想しているメンバーはいない」、とし、7月にも利下げに転じると見ている市場予想とは再び乖離が拡がった。
最近の一部金融システムの混乱を巡り、不透明感強く、言及するには時期尚早との見方。議長はFRBが十分に利上げ軌道を市場に伝達しており、銀行は管理可能なはずだとし、破綻したシリコンバレー銀や、シグネチャー銀の管理の甘さが破綻の引き金になった可能性を強調。、FRBの仕事はマクロ経済にそるものとし、金融政策の決定と、金融市場の緊張への対処に境目を設けている。
ただ、信用状況の引き締めで利上げの代替になり得るとし、結果的に利上げの必要性を軽減させるとしたことは、将来の利上げが想定程進まない可能性もある。金融システムの状況がどのように展開するかが鍵を握る。
声明変更点
「労働市場の伸びは加速。最近力強さがさらに増した」←「労働市場は力強い」=判断上方修正
「米国の金融システムは堅調で柔軟性がある。最近の展開は世帯や企業の信用状況のひっ迫が原因となった可能性が強く、経済活動、雇用、インフレの重しとなる。不透明性が強く引き続きインフレリスクを監視」
「委員会は2%の目標達成のために金融政策においていくらかの追加引き締めが適切となる可能性が強い」←「利上げ継続が適切である」《CS》
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