関連記事
アルバイト求人仲介:ディップの利益急回復を、どう受け止めるか!?
ディップ(東証プライム)の収益動向を、注目して見定めたい。何故ならその如何は、「第8波」が懸念されたりもしている。そんな日本経済をポストコロナ時代への移行を窺わせる要因になりうるからでもある。
【こちらも】コロナ禍でもアニコムHDは増収増益継続、ペット市場の強さを再認識した
9月9日、就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートが「9月1日時点の2023年新大卒の就職内定率90.8%」と発表した。21年の同時期に比べ5.8ポイント増、22年時より0.8ポイント増とし、「コロナウイルス禍前の水準に向けて回復基調が続いている」と分析した。
だが足元の労働力需給を捉える時、まず知りたいのは「アルバイト」などの即戦力の状況。
ディップはアルバイトの「バイトル」など、ネットに特化した求人情報を提供している。「底打ち傾向の飲食店を中心に、即戦力(アルバイト)を求める動きが増加し始めている」という指摘もある。
ディップは2020年2月期には、143億5600万円の営業利益を計上していた。が、21年2月期には73億1200万円、前22年2月期は56億200万円と大幅な減益を余儀なくされていた。アルバイト等の「減」が要因であることは、論を俟たない。
それが今期は、「37.4%の増収(543億円)、133.8%の営業増益(121億円)」という急回復計画で立ち上がった。出足を注意深く見守った。
第1四半期の実績は、前年同期比「33.8%の増収(123億4200万円)、70.1%の営業増益(31億5800万円)、66.5%の最終増益(20億600万円)」で通過した。だが流れを確定しがたいのか、通期の配当金は前期の61円に対し「56円~101円」と幅を持たせた。ディップでは結果を踏まえ、こう発信している。
まず「今年4月に414名の新卒社員を採用している」とした上で、各セグメントについてこう語っている。
◆人材サービス事業: 「バイトル」「バイトルNEXT(正社員・契約社員サイト)」「はたらこねっと(総合求人サイト)」はコロナ禍前の水準にまで回復はしていないが、売上高は前年同期比28.9%増収(112億4600万円)/37.2%営業増益(41億4500万円)。「バイトルPRO(専門職の総合求人サイト)」は、58.7%増収(10億5200万円)と順調な伸びを見せている。
そして興味深いのは・・・
◆DX事業: 中堅・中小企業(ディップが得手とする企業層)に特化した設計商品(コボットシリーズ)による、DX事業を展開。「面接コボット」は、応募者との面談スケジュールを調整。「HRコボット」はビジネス先の派遣会社の営業先リストの自動作成。「採用ページコボット」は企業の採用ページ作成。118.5%増収(10億9600万円)、902%営業増益(4億8900万円)。
この限りでは人材サービス事業の立ち直り傾向もさることながら、ディップのかっこうの取引先となる企業向けのDX事業の伸長は注目に値すると言える
株価も様変わりとなった今期予想を契機に4335円まで買われ、時価は調整場面の3900円水準。IFIS目標平均株価は4300円と、年初来高値奪還を示唆しているが!?(記事:千葉明・記事一覧を見る)
スポンサードリンク