BeeX、2Qの営業利益は前年比124.2パーセント増の大幅躍進 今後は堅調に拡大するストックビジネスのアップセルに意欲

2022年10月18日 17:13

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記事提供元:ログミーファイナンス

BeeX、2Qの営業利益は前年比124.2パーセント増の大幅躍進 今後は堅調に拡大するストックビジネスのアップセルに意欲

BeeX、2Qの営業利益は前年比124.2パーセント増の大幅躍進 今後は堅調に拡大するストックビジネスのアップセルに意欲[写真拡大]

会社概要

広木太氏(以下、広木):みなさま、こんにちは。株式会社BeeX代表の広木でございます。本日は、2023年2月期第2四半期の決算についてご説明します。

まずは事業概要です。弊社は2016年3月に創業して、現在は第7期目を迎えています。従業員は約130名です。事業内容はクラウド関連の導入・保守・管理事業で、クラウドに関するテクノロジーの専門家として活動していることが、我々の大きな特徴と考えています。

BeeXのビジネス領域

クラウドにはさまざまな種類があり、大きくSaaS、PaaS、IaaSの3つに分類されます。サービスとして提供されているソフトウェアをカスタマイズしながら使うSaaSに対し、我々がビジネスとして展開しているのはPaaSとIaaSです。PaaSとIaaSはシステムを動かすための「部品」をサービスとして提供しているものです。我々はPaaS、IaaSを利用・活用してシステムの構築を行っています。

BeeXのマルチクラウド対応力

PaaSとIaaSの分野で、我々が何を取り扱っているのかをご説明します。この分野において、世界的にも、また日本でもリーダーと呼べる会社は3社あります。Amazon Web Services の略称の「AWS」、マイクロソフトの「Azure」、Googleの「Google Cloud」があります。

複数のクラウドを組み合わせて使うことをマルチクラウドと呼びます。これまでは我々のようなクラウド専業のインテグレーターは「AWS」や「Google Cloud」など、どれかに特化する会社が多かったのですが、それではなかなかお客さまのニーズを満たすことはできなくなりつつあります。

我々は「AWS」「Azure」「Google Cloud」の3つのサービスをマルチクラウドとして提供しており、複数のクラウドを使い分けてお客さまのニーズに応えていく姿勢が第2の特徴であり、強みと言えます。

第3の特徴は「SAP」です。多くの方にはなじみがないと思いますが、日本における多くの中堅企業・大企業が基幹システムとして採用しているパッケージが「SAP」です。

「基幹システムとは何か」と言いますと、会計、物流、生産管理、人事管理といった企業の屋台骨を支えるシステムのことで、ERPシステムとも呼ばれます。我々は、その「SAP」とクラウドを組み合わせた事業を展開しています。お客さまにとって重要なシステムを開発・運用していることが我々の強みであり、他のクラウド専業のインテグレーターにはない大きな特徴です。

事業内容

事業内容を具体的にご説明します。スライドに記載のとおり、大きく3つです。1つ目はクラウドインテグレーションです。お客さまのクラウド導入に関するコンサルティング、クラウドの設計・構築、現在のシステムからクラウドへの移行、クラウド上の新しいアプリケーションの開発などを行っています。

2つ目はクラウドライセンスリセール、つまりライセンス販売を行う事業です。クラウドライセンスリセールは月々の電気代のように、お客さまの利用量に応じて毎月請求していくかたちです。一度契約すると、利用料がどんどん伸びて、成長していく事業となります。

3つ目のマネージドサービスプロバイダーは、クラウド環境の運用・保守です。クラウドインテグレーションで導入したお客さまのシステム、企業にとって重要な基幹システムの24時間365日の監視や、障害時の対応になります。また、クラウドは進化し続けているため、システムも改善していく必要があります。クラウドの進化への追随およびシステムの改善を運用保守サービスとして提供しています。こちらもライセンスリセールと同じで、契約後は毎月対価をいただきます。

3つの事業内容をご紹介しました。そこからさらに大きく2つに分けると、クラウドインテグレーションはフロー型のビジネスで、お客さまの要望に沿ったシステムを作り、対価をいただくかたちです。クラウドライセンスリセールとマネージドサービスプロバイダーはストック型で、契約数に応じて売上が毎月発生します。

このように我々は、フロー型とストック型のビジネスを組み合わせて提供しており、安定した売上収益で成長していけることが強みと言えます。

AWS 移行コンピテンシーを取得

上半期のトピックスをいくつかご紹介します。まず、クラウドインテグレーションの中でも、クラウドへのマイグレーションに関するトピックです。基幹システムをはじめとしたさまざまなシステムをクラウドに移行してきた我々の実績と技術をAWS社から高く評価いただき、「AWS 移行コンピテンシー」を取得しました。我々の技術についてAWS社からお墨付きをいただいたということです。

このお墨付きを得たことにより、AWS社が提供する「Migration Acceleration Program」と呼ばれているプログラムを活用することができるようになりました。調査から移行準備、実際の移行に関して、AWS社からバックエンドの協力をいただけるようになりました。このプログラムを活用することでクラウドへの移行をさらに推進していくことができるようになりました。

代表導入事例(SAP ERPおよび SAP HANAのAzure移行)

クラウドマイグレーションについて、代表的な事例を1つご紹介します。これは「AWS」ではなく「Azure」への移行事例ですが、早稲田大学の研究支援や財務システムで動いていた「SAP」、お客さまが調達したオンプレミスと呼ばれる従来型の基幹システムを、「Azure」というパブリッククラウドへ移行しました。

最大の特徴は、短期間で移行できたことです。安心・安全だけど長時間かかるというものではなく、短期間でスピーディーに移行できることを我々は強みとしています。これらのクラウド特化の技術とスピードが評価され、我々を選んでいただけた事例とも言えます。

ライセンスルセール/MSP新サービス提供開始

ストック型のビジネスに関するトピックです。これまでライセンスリセールや運用に関するメニューをいくつか出してきましたが、昨今は「AWS」「Azure」に比べて、「Google Cloud」が伸びてきています。上半期に「Google Cloud」のライセンスリセールについてお客さまの投資効果を高める新サービスの提供を開始しました。

また、マネージド・サービスについては、お客さまのコスト削減に貢献でき、かつ安心・安全に使っていただけるメニューの提供が大切と考えています。運用面については人間が行ったほうが安心ですが、そうなるとコストが高くなります。運用コストを削減しつつ安心・安全にクラウドを利用するための「自動監視サービス」も同時に提供を開始しました。

このようにマルチクラウドのストックビジネスのさらなる強化を図り、新サービスとして提供を開始しています。

クラウドセキュリティポスチャ管理(CSPM)によるセキュリティ診断及びSOCサービスの提供を開始

もう1つ、ストックビジネスとして我々が非常に力を入れているのが、セキュリティです。クラウドをいかに安心・安全に使っていくかという観点で、運用サービスの中にセキュリティのサービスを追加することが非常に重要になっています。

特にクラウドは、インターネット上のどこからでもいつでもアクセスできるため、導入時や運用開始後に少しでも設定を間違えると、セキュリティ上に大きな穴が開いてしまいます。そこから情報漏洩などが起きるケースが非常に危険視されています。

このように誰かが起こしたミスを、診断サービスで定期的に確認することもできるのですが、それでは発見が遅れてしまうため、最近は自動的に見つけるクラウドセキュリティポスチャ管理が注目されています。我々はそのような、クラウドの人的ミスをいち早く見つけて被害が起きるのを防ぐことができるサービスを提供しています。

このようなセキュリティサービスを提供することにより、お客さまに安心・安全にクラウドをどんどん使っていただくことを後押しするとともに、ストックビジネスのアップセルを狙っていきます。

KPIハイライト

第2四半期の決算概要についてご説明します。まず、KPIハイライトです。売上高は26億3,300万円で、前年同期比29.4パーセント増、営業利益は2億3,200万円で、前年同期比124.2パーセント増となっています。前年同期に比べて売上高・利益ともに伸びており、特に利益はかなり大きく成長することができました。

業績サマリ 前年同期比較

スライドの図では、業績サマリについてより具体的に全体を示しています。売上高が大幅に成長しており、さらに売上総利益、営業利益、純利益も大きく成長しています。このように、我々は非常に堅調かつアグレッシブに成長してきているということが、今回特に強調したい部分です。

サービス別売上高

サービス別の売上高です。スライドのグラフの下部分、赤枠で囲っているライセンスとMSPの2つが、毎月お金をいただくストック型のビジネスです。こちらは右肩上がりに伸びているため、安定した収益を確保できています。ストックビジネスが堅調に伸びていることが我々の強みです。

このようにストックで安定した利益を生み出している上で、クラウドインテグレーション事業を行っており、こちらも順調に成長しているところで、会社全体が大きく成長しています。

クラウドライセンス売上の推移

それぞれのサービスにおける内訳です。クラウドライセンスリセールの売上は、お話ししたとおり、しっかりと成長できています。

クラウドライセンスビジネスアカウント数推移

クラウドライセンスのビジネスアカウント数になります。アカウント数というのは、「AWS」「Azure」「Google Cloud」の契約数になります。こちらも新しい契約を獲得できていて、右肩上がりで成長しています。

マネージドサービスプロバイダー売上、ユーザー数の推移

マネージドサービスプロバイダーの売上とユーザー数の推移です。2022年2月期と比べて2023年2月期は売上が伸びており、新たなお客さまの獲得ができているため、さらに成長できると考えています。

クラウドインテグレーションビジネス推移

クラウドインテグレーションのビジネス推移になります。スライドの折れ線グラフには、プロジェクト数の推移を示しています。プロジェクト数と言ってもそれぞれの単価があり、一概に増えた・減ったで判断できるものではないですが、過去の年度よりも確実に取引している数が増えていることが見ていただけると思います。

貸借対照表の推移

貸借対照表の推移です。流動比率、自己資本比率とも健全な値で推移しています。以上が、第2四半期の決算概要になります。

2023年2月期 業績予想(当初予想から変更なし)

通期の業績予想についてお話ししていきます。売上高は前年同期比20.4パーセント増、経常利益は前年同期比7.4パーセント増を計画しています。当初の予想から変更はありません。

2023年2月期 業績予想(当初予想から変更なし)

業績予想の詳細です。お伝えしたとおり、当初予想から売上・売上総利益、その他について変更はありません。上半期の実績を鑑みても、売上高・利益ともにしっかりと伸ばしていけると考えています。

2023年2月期 業績予想 進捗状況

業績予想に対する、2023年2月期上半期、つまり第2四半期が終わったところまでの進捗率です。売上高は50.2パーセント、売上総利益は52.8パーセント、経常利益については82.2パーセントの進捗です。通期予想は達成できる見込みとなっています。

2023年2月期 下期の重点施策

下期にいくつか重点施策を打とうとしています。まず、人材採用のさらなる強化です。我々のようなIT企業の成長を支えるためには、人材の確保がなによりも重要です。

上期にエンジニアの採用としていろいろな施策を打ってきましたが、下期にその刈り取り、つまり実行の結果が出ます。さらに、来期に向けて求人サイトへの広告出稿など、下期の採用および来年に対する追加の施策を重点的に打っていきたいと思っています。

マーケティング施策も積極的に行います。新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあって、さまざまなイベントが中止になっていましたが、オフラインイベントが徐々に復活してきています。

上期にできなかったオフラインイベントや広告などのマーケティング施策を、下期に重点的に行っていきます。こちらも来期に向けた施策で、特に、先ほどお話ししたストックビジネスの新たな契約獲得が目的です。ライセンスやMSPの新しい顧客を獲得し、新たなセキュリティサービスを訴求することによって、さらに事業を伸ばしていきたいと考えています。

このように、下期は人材採用やマーケティングという来期に向けた重点的な投資を行って、しっかりと成長できる基盤を整えたいと考えています。

SAPシステムのクラウド化・S/4HANA化支援

成長戦略について、大きく3つに分けてお話しします。1つ目は、基幹システムのクラウド化、モダナイズ化と呼ばれる部分です。

現状、お客さまに一番使われている「SAP」のバージョンが2027年にサポート終了となります。追加でお金を払うと2030年まで保守を受けられますが、いずれにしても、近い将来、標準サポートは終了します。「SAP」の導入は1年以上、長ければ3年くらいかかるため、今からスタートしないと間に合いません。

日本全体の企業への「S/4HANA」導入は、おそらく2027年ですべて終わらないと言われています。これはある意味、社会課題のようなものです。我々は、今お話ししたクラウド化と、S/4HANAへの転換、いわゆるコンバージョンの2つを中心に動き、これらの社会課題解決に邁進していきます。

お客様の基幹システムクラウド移行支援

SAPシステムのクラウド移行を行いつつ、先ほどトピックスでお話ししたようなマイグレーションを加速するプログラムを使って、さまざまなシステムのクラウド移行も進めていきます。

クラウド移行を行うと、クラウドインテグレーションの売上が上がるだけでなく、導入後のライセンスリセールや運用サービスの契約などにもつながります。フローとストックの両方のビジネスを伸ばすために、継続的にクラウド移行に注力していきたいと考えています。

DXを実現するプラットフォーム構築提供

2点目は、デジタルトランスフォーメーション(DX)です。我々が非常に力を入れているのは、データ分析・活用の部分です。DXで大事なことは「いかにデータに基づいてものを考えていくか」であり、これはデータ駆動型、データドリブンなどと呼ばれています。

今までは勘を頼りにしていたところを、さまざまなデータを集めて分析する基盤を整備することで、データ駆動型の企業に変革する支援に力を入れています。

スライド右側に「モダンアプリ開発」と記載しているのは、クラウド上のアプリケーション開発です。今までのアプリケーションとは違って、DXにおけるアプリケーションは、次々に改善が必要になります。「出したらそれで終わり」ということではなくて、次々と新しいものにブラッシュアップしていくということです。

みなさまがお使いのスマートフォンのアプリケーションも次々に新しくなっていきますが、企業が使っているアプリケーションも同じです。今までは安定性重視で何年もかけて作っていましたが、現在は比較的短期間でリリースして改善していくようになっています。

このような新しい仕組みのモダンアプリケーション開発は、クラウドテクノロジーに長けた我々が非常に強みとしているところです。このようにDX推進を行っていくことを重要な成長戦略として掲げています。

SAPサラウンドソリューション

我々は「SAP」などの基幹システムのデータをもともと扱っていました。それらに加えて、例えば工場のさまざまなデータや、マーケティングデータなどをクラウド上に集めて分析する基盤が必要とされています。

よく「企業のデータの民主化」という言いかたをされますが、今まで専門性がある人間でないと解析できなかったところを、さまざまなツールを使って、経営者から現場の方々まで同じツールで解析ができるようにする基盤づくりを支援しています。

「SAP」とクラウドのスペシャリストという部分を組み合わせることで、この分野は我々の非常に強みになる分野であり、今後成長が期待できる分野として掲げています。

マルチクラウド対応マネージドサービス

3つ目はストック型のマルチクラウドリセールとMSPについてです。冒頭からお話ししているように、ストックビジネスが非常に安定して伸びていることが我々の強みの1つです。先ほど「Google Cloud」の新サービスについてお話ししましたが、ライセンスリセールの売上をさらに伸ばし、成長をドライブするために、さまざまな新しいメニューを出していきたいと考えています。

運用サービスについても、自動化を行ってコストを抑え、より広範囲な運用を行い、企業のクラウド活用を運用面から支えていきます。お客さまのニーズにお応えしてMSPを成長させていくことによって、安定した売上と利益を確保し成長させていきます。

セキュリティソリューションの提供

セキュリティソリューションについて、新しいメニューを出したとお伝えしましたが、セキュリティというのは追求しきれるものではありません。そのため、新しいソリューションを継続的に提供して、安心・安全にクラウドを使い、活用いただける状況を実現します。さらに、MSPのアップセルというところでストックビジネスの拡大を図っていきたいと考えています。

中小企業のクラウド化支援パートナー施策

大企業や中堅企業の基幹システムは強いとお話ししましたが、その一方で、日本は非常に中小企業が多い社会です。中小企業のクラウド化が遅れています。

ここを我々のみですべてカバーするというのはなかなか難しいため、このような中小企業の支援を得意としているパートナーと連携していこうと考えています。例えば、「クラウドはあまり得意ではない」という地方のパートナーに対して、我々のクラウドのノウハウやMSPのサービスなどを提供することによって、クラウド化の推進を図っていきます。

もちろん都市部でも中小企業は多いため、そこを得意とするパートナーと組んでクラウド化を推進する取り組みも行っています。中小企業のクラウド化を新たな成長領域として今後期待できると捉え、また、日本の成長のために行っていかなければならない改革として進めていこうと考えています。

Our Vision

成長戦略についてお話ししたとおり、我々は、クラウドのテクノロジーを使って企業の改革を行っていくというビジョンを掲げています。この改革というのは、一朝一夕で達成できるものではないと考えています。

我々は「クラウドジャーニー」「データジャーニー」「DXジャーニー」のように、ジャーニー(旅路)という言葉をよく使います。「突貫工事で作って提供すれば解決」ということではなくて、お客さまと一緒に、継続して改革を行っていくことが非常に大事だと考えています。

クラウドテクノロジーを使った改革の「旅路」をお客さまとともに歩み、実現していくとともに、投資家のみなさまのお力をお借りして、新しい未来を作るために邁進していきます。

2023年2月期第2四半期の決算説明は以上です。今後も、このクラウドというテクノロジーを使って邁進していきたいと考えていますので、ぜひともBeeXをご支援いただければと思います。本日はありがとうございました。

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