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13期連続増配計画:三菱鉛筆の、1世紀を超えるミニ小史
「フォレストサポーター鉛筆」を配布した学校に設置された回収箱。(画像: 三菱鉛筆の発表資料より)[写真拡大]
三菱鉛筆(東証プライム)。筆記具の代表的なメーカー。文字・文章をパソコン(ワード)で打つ時代になっても、常に机の上には鉛筆・シャープペンシル・ボールペンが置かれている。
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今回改めて三菱鉛筆を調べたいと思ったキッカケは、「前12月期まで13期連続の増配であり、今期も増配計画」と知ったからだ。好調の何故は後述するが前12月期の「12.2%増収、36.9%営業増益、38.8%経常増益」に続き今期も、「3.4%の増収(640億円)、10.6%営業増益(83億2000万円)、4.7%の経常増益(87億円)」と堅調。高い「売上高営業利益率」に惹かれた。
また四季報も指摘しているが、今期のドル円レート:107円は余りに保守的。経常利益段階の上積みは、容易に想定できる。
創業者は故眞崎仁六氏。1878年(明治11年)のパリ万博で鉛筆を知った。「日本でも作れないものか」と数々の失敗を経ながら開発に没頭。1887年に、眞崎鉛筆製造所の設立に至った。
そんな眞崎鉛筆が世の中に広く知られるようになったのは、1901年。現在の総務省(当時の逓信省)から「御用品(局用鉛筆)」として採用されたことだった。苦節20余年。仁六翁は「この感動を後世に残したい」と、社章をいまなお続く『三菱』にしたのだと言う。
何故、上・下左右に菱形を組み合わせたのかは「局用鉛筆が芯の濃さに応じ、1号・2号・3号に分かれていたこと」であり「眞崎家の家紋が三鱗(みつうろこ)だったこと」と語り継がれている。この“三菱マーク”を商標登録したのは1903年で、旧三菱財閥の登録より10年先立つと言う。三菱鉛筆は俗に言う「三菱グループ」とは、別物という次第。
独特のエビ茶色の鉛筆:ユニの発売は1958年だが、ユニブランドは今では三菱鉛筆のあらゆる製品のコーポレートブランドになっている。「ユニ=uni」の語源は「ユニーク=unique」。その姿勢は今でも収益動向にも、色濃く反映されている。
前期の決算資料を読み込んでいくと、「海外市場での売り上げの回復基調が底堅く継続し、業績を牽引」etcと並行してこんな表現と多く出会う。
「プラスチックの代替材料として紙をチューブの主原料としたボールペンのリファイル開発に成功・・・従来品比プラスチック約88%削減」「使い終わった鉛筆を棒状肥料やバイオマス発電とし再利用する実証実験を経て、再利用しやすい国産ヒノキ材からフォレストサポーター鉛筆を開発」etc。
三菱鉛筆を見直した次第。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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