プレナス、ほっともっとのおかず容器更新 プラスチック年約235トン削減

2022年4月20日 08:00

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リニューアルしたおかず容器(画像:プレナスの発表資料より)

リニューアルしたおかず容器(画像:プレナスの発表資料より)[写真拡大]

  • おかず容器の断面図(画像:プレナスの発表資料より)
  • 蓋が開けやすい設計のイメージ(画像:プレナスの発表資料より)

 プレナスは19日、持ち帰り弁当店Hotto Motto(ほっともっと)のおかず容器をリニューアルすると発表した。新しいおかず容器は構造などを見直し、従来容器よりプラスチック使用量を約20%削減。年換算では約235トンの削減となるという。新容器では併せて、デリバリーに適した構造に改良。プレナスは今後、新容器を全国の店舗へ順次導入していくという。

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 プレナスは、CO2やプラスチック使用量の削減へ向けた取組みをきっかけに、新容器開発を開始。そこに新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり需要が発生し、デリバリーの際の軽量性と耐久性があり安全に商品が届く容器という要件が加わった。構想開始から最終版の容器完成までには、約2年かかったという。

 新容器ではまず、素材をOPS(二軸延伸ポリスチレン)に変更。OPSは、ポリエチレンシートを縦横2方向に伸ばす加工を行っているため、肉薄化しても強度が保ちやすい。さらにリブと呼ばれる容器表面の突起構造を調整。それらによりプラスチック使用量の20%削減を実現したという。

 また新容器には色を付けず、全体的に透明な容器へ変更。単一素材にしてリサイクルしやすく環境に配慮した形態に見直した。OPSは廃棄時もつぶしやすい素材のため、ゴミの省スペース化にも寄与する。

 デリバリー対応では、蓋の構造を内嵌合に変更。内嵌合は容器本体の内側ではまる構造の蓋で液体が漏れにくいため、カットフルーツを入れる容器などで使われている。プレナスは、デリバリー時に商品が揺れることを想定し、汁漏れしにくい内嵌合蓋を採用。通常開けづらくなる内嵌合蓋にタブという出っ張りを追加し、さらに蓋の側面を押すと開く構造にすることで、開けづらさを解消している。

 併せて、できたてでも持運びしやすいよう、容器の底に高さの異なるリブを細かく設置。手が触れても熱さを感じにくい構造に改良した。またおかずの仕切りを入れて、デリバリーしても味が混ざりにくい構造にしている。

 2022年4月より国内では「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行。プラスチック使用製品を提供する事業者(前年度提供量5トン以上が対象)は、使用の合理化が義務付けられた。目標値や実施内容の設定は各企業に任されているが、プラスチック材料の減量化や単一素材化、再生可能な材料・手法への見直しなど、取組みの方向性が示されている。

 プレナスは同法施行以前から新容器開発に着手しており、大手メーカーなどもプラスチックの削減を進めているが、今後はさらなる加速が見込まれる。ファミリーマートも19日、サンドイッチ包装の形状を見直し、プラスチック使用量の削減を図ると発表した。同社は包装見直しで、年間約12トンの削減を見込んでいるという。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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