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コロナ禍にも伍して戦う、PR会社ベクトルの力
若手記者から、「広告とPRの違いは何ですか」と問われた。瞬間、言葉に詰まったがその場は「電通と共同ピーアールの違いだ。四季報で確認しろよ」とかわした。
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正直言うと、広告は容易に理解できた。紙媒体でもWeb媒体でも「枠」を買い、商品等を宣伝するのが広告。それを仲介するのが、広告代理店。が、普段しばしば口にしていながら「PRとは」と聞かれると、分かりやすく説明する方法を知らなかった。
検索の結果知ったのは、『情報の発信者は企業なり企業と契約したPR会社。発信された情報は紙や映像orWebなど広範な媒体が興味を持てば、情報として取り上げられる。最近ではSNSなどの人気のインフルエンサーに照準を合わせ、興味深そうな情報をぶつけ発信されることを狙うといった方法も多い』。知り合いの企業の宣伝担当者から、具体的に「アジア最大規模の」という但し書き付きでベクトル(東証1部)という企業の存在も知った。
新型コロナの影響で「広告業界は苦しい」という認識があった。PR会社はどうなのか。ベクトルの収益状況をチェックしてみた。前2月期は「1.2%増収、19.9%営業減
益」。総売上高の48%弱、営業利益の50%を占める「PR・広告事業」にコロナウイルスの
影響が見て取れた。が、初配当(2円)を実施していた。
そして今2月期は一転「28%の増収、72.8%の営業増益、2円増配4円配」で立ち上がり、第2四半期開示と同時に「上半期の想定以上の好調から」と上方修正に踏み切った。「22.1%増収(455億円)、107.4%営業増益(48億円)、6円増配8円配」。第3四半期実績も修正後計画に対
し「75%、80%」の進捗率を残している。それを確認した上で、中間期の状況を検証し
てみた。
PR・広告事業は前年同期比51.2%の増収、194.3%の営業増益。IRの窓口では、「海外ではロックダウンの影響などで、コロナウイルスの影響を大きく受けた。だが前年度から取り組んできたオンラインを活用したPRイベントやSNSを活用したライブココマース支援など、デジタル領域での新サービスの積極的な展開の効果が発現で好調な推移を見せた。いまタクシー内に設置したタブレットを活用したIoTサイネージサービスに注力しているが、好感触を得ている」とした。ウイズ・ポストコロナを見据えた施策かという問いには、「PR事業展開上当然な面の拡大」という答えが返ってきた。
ベクトルの事業には他にも例えば、「プレスリリース配信」がある。時折私の元にもかつ
て1回取材した企業からPR会社を介して、ニュースリリースが当該企業の取材窓口が印され送られてくる。
実績派PR会社の強さを、知らされた。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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