新潟市とグローリー、顔認証活用した手ぶら商店街の実証実験 市中心部で

2021年12月7日 07:22

印刷

実証実験で使用される顔認証(グローリー発表資料より)

実証実験で使用される顔認証(グローリー発表資料より)[写真拡大]

 新潟市および、貨幣処理機や顔認証機器製造のグローリーは、2021年1月15日から2月末まで、新潟市中心部の「にいがた2キロ」で顔認証決済サービスを活用した「手ぶら商店街」の実証実験をする。新潟市公募の先端技術を活用した無人販売の実証事業にグローリーが応募し、採択されたもので、新潟県でこの種の実証実験が行われるのは初めて。

【こちらも】ヤマト運輸、コールセンター業務にテレワーク導入 顔認証など活用

 実証実験が予定されているのは、JR新潟駅と万代地区、古町地区を結ぶ新潟市中心部のにいがた2キロ。区域内にある「肉バル横丁新潟駅前店」、「ヒッコリースリートラベラーズ」、「麻婆会館南笹口店」など飲食、物販の10店舗で店舗設置のタブレットに支払金額を入力し、顔をかざして認証するだけで決済が終了する。

 使用する顔認証決済サービスはグローリーの「BioPay」。4月から9月まで大阪府東大阪市の近畿大学で実証実験し、実用性を確認した。新潟市での利用者は事前に専用サイトへスマートフォンなどでアクセスし、顔画像やクレジットカード情報を登録するだけで利用できる。顔画像などの個人情報はすべて暗号化したうえで送信される。

 新型コロナウイルスの感染拡大を契機に消費者の行動や意識が大きく変化する中、物販店や飲食店で非対面・非接触サービスが求められるようになった。こうした流れが今後も続きそうなことから、新潟市はIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を活用した無人販売など、店舗のデジタル・トランスフォーメーション化を支援することにした。

 今後は今回の実証実験を足掛かりにして、入退店管理や商品認識などを含めた完全無人店舗の実現を目指す。さらに、顔認証技術を基にして本人情報を市役所が管理し、市民が平等に行政サービスを受けられるようにすることも視野に入れている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事