3日の香港市場概況:ハンセン0.1%安で3日ぶり反落、ネット株に売り

2021年12月3日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 3日の香港市場概況:ハンセン0.1%安で3日ぶり反落、ネット株に売り
3日の香港市場は、主要60銘柄で構成されるハンセン指数が前日比22.24ポイント(0.09%)安の23766.69ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が50.91ポイント(0.60%)安の8455.45ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は1659億1470万香港ドルとなっている(2日は1475億6310万香港ドル)。


ネット株急落が投資家心理の重しとなる流れ。ITやハイテクなどで構成されるハンセン科技指数は1.5%下落し、他の指数をアンダーパフォームした。プラットフォームを有する企業に対し、当局が監督管理を強化するとの懸念が依然としてくすぶっている。もっとも、下値は限定的。中国景気の過度な鈍化懸念は薄らいでいる。中国の政府顧問は2022年の経済成長目標について、今年の目標「6%以上」を下回る「5.0〜5.5%」に設定するよう提言し、これについて市場では想定の範囲内と受け止められた。(亜州リサーチ編集部)


ネット株に売りが先行。京東集団(JDドットコム:9618/HK)が6.0%安、網易(ネットイース:9999/HK)が4.8%安、美団(メイトゥアン:3690/HK)が2.7%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.6%安、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.3%安などと値を下げている。


自動車セクターも安い。小鵬汽車(エックスポン:9868/HK)が6.5%、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.5%、長城汽車(2333/HK)が2.2%ずつ下落した。


太陽光発電の関連銘柄群もさえない。新特能源(シンター・エナジー:1799/HK)が3.6%安、中国水発興業能源集団(旧社名・中国興業太陽能技術HD:750/HK)が2.6%安、保利協キン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が1.5%安で引けた。


半面、エアラインや代理店など旅行関連セクターは高い。中国東方航空(670/HK)が6.3%、中国国際航空(753/HK)が3.9%、中国南方航空(1055/HK)が3.5%、香港中旅国際投資(308/HK)が8.1%、東瀛遊HD(EGLホールディングス:6882/HK)が6.2%ずつ上昇した。行動抑制の緩和が期待されている。世界的に感染拡大している新型コロナ変異ウイルス「オミクロン」に関しては、現時点で感染者に重篤な症状はみられていない。米製薬会社ファイザーの幹部は、オミクロンへのワクチン効果に楽観的な考えを示している。


港湾セクターも急伸。招商局港口HD(144/HK)が17.1%高、天津港発展HD(3382/HK)が10.0%高、中遠海運港口(1199/HK)が9.6%高と買われた。コンテナ取扱量で世界3位の寧波舟山港は、荷役費を10%引き上げると発表。業界全体の刺激材料となった。


発電や設備の電力セクターも上げが目立つ。中国電力国際発展(2380/HK)が8.4%高、華能国際電力(902/HK)が7.1%高、東方電気(1072/HK)が8.3%高、上海電気集団(2727/HK)が4.5%高で取引を終えた。


一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.94%高の3607.43ポイントで取引を終了した。港湾株が高い。発電株、石炭株、インフラ建設関連株、不動産株、ハイテク株、医薬品株、金融株、消費関連株の一角なども買われた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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