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リビアンはEV界の勢力図を変えるか?
R1T(画像: リビアンの発表資料より)[写真拡大]
●米国新興EVリビアンIPOを目指す
米国の電気自動車(EV)新興メーカーであるリビアン・オートモーティブが、新規株式公開(IPO)を目前にしている。
【こちらも】テスラの快進撃はまだまだ続くか?
ロイター通信などによると、株式時価総額は530億ドル(約6兆400億円)を予定しており、実現すればホンダに匹敵するという。
米国アマゾン・ドットコムはリビアンの株式20%を保有している。テスラの好調さが際立っているEV市場だが、リビアンはテスラを脅かす新興勢力として、EV業界だけでなく、株式市場も席巻することになるのか?
●リビアン・オートモーティブ
リビアンは、2009年にCEOR.J.スカリンジによって設立された新興EVメーカーである。
多くのEV企業がカリフォルニアに本拠地を置くが、リビアンはミシガン州に本拠地を置いている。2017年に三菱自動車の北米工場を買収するなど、工場を丸ごと買い取る手法で生産能力を上げてきた。
2018年のロサンゼルスのモーターショーで電撃発表した、電動ピックアップトラックR1TとSUV「R1S」が評判を呼び、サウジアラビアの投資グループやフォード、そして2019年にはアマゾンからも資金調達している。
物流の自前化を目指すアマゾンは、2019年にリビアンへ配送車10万台を発注するなど、今後も良好な関係となるだろう。
●テスラとの差は?今後の期待と不安
R1Tの増産能力にはまだまだ課題があり、投資が必要な段階である。
IPOに向けて開示された文書では、2021年上半期は10億ドル(約1140億円)の赤字であったことが分かった。
テスラと比較されるが、テスラは高級志向であるのに対し、リビアンは山やビーチなどのアウトドアの利用に適した大衆車を目指しており、一線を画す。
とは言え、テスラもリビアンを意識せずにはいられず、技術盗用したとしてリビアンをカリフォルニア州地裁に提訴しており、訴訟合戦に発展するリスクも無視できない。
リビアンの発展はアマゾンも鍵を握りそうだが、アマゾンはEV開発には興味が無く、あくまでも物流網構築の手段として捉えている。
リビアンの上場で今のところアマゾン株が上昇する気配は無く、リビアン株も最初は期待先行で上昇することになりそうだが、世界中で脱炭素の課題が見えつつある現状で、どこまで上昇するかは未知数である。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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