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14日より再上昇? 海外投資家に翻弄される日経平均株価 前編
9月29日に行われた自民党総裁選の結果として、第100代総理大臣に岸田文雄氏が選出されたが、日経平均株価は前回の記事のとおり、まさに「噂で買って、事実で売る」結果となった。
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菅前首相の退陣表明から日経平均株価は急上昇し、2月に付けた年初来高値(3万0467円)を更新。9月14日には3万0670円を付けたが、その後は徐々に失速した。総裁選後は、実に2,000円ほどの下落幅となり、結局は菅前首相辞任表明直後の価格に戻っただけである。
アベノミクスの再来を高々と掲げた高市早苗前総務相が総理大臣に選出されていれば、展開は違っていたとも考えられるが、アベノミクスを評価・継承しつつも、具体的な政策を掲げられない岸田首相には期待外れだった感もあろう。
大企業を優遇しトリクルダウンを目指したアベノミクスが、貧富の差を生む結果となったという岸田首相は、中間層を復活させる「令和版所得倍増」を掲げている。だが果たしてどのような方策で実現していくのか、その財源をどこに求めるのか、明らかにしていない。
一歩踏み込んだ内容といえば、「金融所得課税を見直し、一律20%の税率を引き上げる」という考えである。つまりは、株式や投資信託などの金融資産における配当所得および譲渡(売買)所得に対する税金を引き上げることであるから、金融市場には総じてネガティブだ。
また、アメリカのバイデン大統領が掲げる「3.5兆ドル(約400兆円)のインフラ投資計画」に対して、日本政府は2021年度から5年間、15兆円を掛けて、河川整備や老朽化するインフラの補修を集中的に行う方針ではある。だが10年間で約100兆円を投じると明言した高市氏に比べると、岸田総理大臣のインパクトは弱い。
そもそも岸田首相は、財政再建を重視する人物だと思われてきた節があり、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化を一定期間凍結する、つまりは国の借金を増やすことはやむを得ずという高市氏の考えとは異なる。
「財政再建の旗は降ろさない」が「数十兆円の財政出動」とも言及しており、いかにもバランスを重視する岸田首相らしい発言ではあるものの、今後どのような具体案が出てくるか、衆議院選挙で訴求されるかがポイントであろう。
なお、今回の衆議院選挙が様々な理由から前倒しされ、衆議院を14日に解散、19日公示、31日投開票の日程で行われることになったが、今後の株価はどのように推移するであろうか。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)
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