19日の香港市場概況:ハンセン2.1%安で急反落、ネットと資源・素材に売り

2021年8月19日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 19日の香港市場概況:ハンセン2.1%安で急反落、ネットと資源・素材に売り
19日の香港市場は、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前日比550.68ポイント(2.13%)安の25316.33ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が234.34ポイント(2.56%)安の8916.02ポイントとそろって急反落した。売買代金は1648億5220万香港ドルに拡大している(18日は1344億1070万香港ドル)。


内外環境の不透明感が嫌気される流れ。昨夜の米市場では、年内のテーパリング(量的緩和の縮小)開始を警戒し、主要株価指数がそろって下落した。NY市場ではWTI原油先物が1.7%安と5日続落し、ロンドン金属取引所(LME)では主要な非鉄の先物価格が軒並み下げている。内部的には、各分野に対する締め付け懸念が依然としてくすぶる状況だ。足もとの経済指標下振れを背景に、経済回復ペース鈍化の懸念も続いている。(亜州リサーチ編集部)


ネット株が再び急落。ハンセン科技指数は2.9%安と反落し、2020年7月27日に公表開始以来の安値を更新した。構成する関連銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)とショート動画投稿アプリの快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)がそろって7.1%安、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が5.5%安、インターネットサービス中国大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が3.4%安と値を下げている。快手とアリババは上場来安値をそろって更新した。テンセントは決算上振れを手がかりに買い先行したものの、中盤から急失速している。テンセントの幹部は決算報告会で、「業界に向けた規制は更に強化される」と投資家に説明した。


石油や非鉄、鉄鋼、セメントなど景気動向に敏感な資源・素材素材セクターが安い。中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が5.2%、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が3.0%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が9.1%、江西銅業(358/HK)が6.5%、中国東方集団HD(581/HK)が5.1%、重慶鋼鉄(1053/HK)が4.8%、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が3.5%、中国西部水泥(西部セメント:2233/HK)が3.3%ずつ下落した。


中国空運セクターもさえない。中国南方航空(1055/HK)と中国国際航空(753/HK)がそろって1.8%安、中国東方航空(670/HK)が1.7%安で取引を終えた。米国の圧力が逆風。米運輸省は18日、中国航空会社が運航する一部の米国便について、乗客を定員の40%に制限する措置を4週間発動すると発表した。中国政府が米ユナイテッド航空に同様の制限を行ったことに対する報復措置とみられている。


一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.57%安の3465.56ポイントで取引を終了した。資源・素材株が安い。金融株、不動産株、食品飲料株、運輸株なども売られた。半面、ハイテク株は高い。医薬品株、自動車株、公益株も買われた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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