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ビットコイン急落で株式市場も調整相場入りか?
●ビットコインが2週間で約40%急落
暗号通貨(仮想通貨)ビットコインが2週間で約40%下落し、4万ドル(約440万円)を一時割り込んだ。イーサリアムも同じく約40%下落した。
【こちらも】イーロン・マスク氏に振り回されるドージコインの行方
好調だったNYダウや日経平均なども急落し、暗号通貨だけの下落にとどまらず相場全体にも影響を与えているのだろうか?
●下落の原因はお騒がせマスク氏?
今回の下落の大きな要因は、テスラ社のイーロン・マスクCEOが、EV(電気自動車)購入決済時のビットコイン受け入れを撤回したことである。
その数日前にもビットコイン採掘にかかるエネルギー消費に対し、「常軌を逸している」とツイッターで投稿し、波紋を広げていた。
マスク氏は売却を検討、もしくは売却を示唆するツイートが注目され、売りの要因となっていた。17日にテスラは「ビットコインを売却していない」とツイッターに投稿し、一旦値を戻している。
先日のドージコイン同様に、マスク氏の動向に振り回された形となった。
●調整相場入りか?
ビットコインは、中国の金融業界団体が、金融機関に暗号通貨の取り扱いを禁止したとの報道も、急落に拍車をかけた。世界中で使える決済手段というビットコインの売りが使えないとなれば、急落の原因となることは想像に難くない。
今回の急落で弱点を露呈したことは、インフレでも価格が維持されることや、中央銀行や政府の介入を受けないといった期待感に、疑問符が付いたことだろう。
インフレで通貨安となる他の通貨とは違うと期待されていたが、今回は逆に動いた。投機筋に左右されやすいという弱点も克服できていいない。
ビットコイン相場が株式相場へ影響を与えることも心配される。
先日、インフレへの懸念から米国株が急落したが、今後ビットコインの影響も無視できなくなっている。ビットコインが直接影響を与えることは考えにくいが、ビットコインの損失を株式の売却で補てんする動きが出る可能性もある。
単に一本調子で上がっていたことで、セルインメイ(5月に売れ)が意識された調整相場でビットコインがその口実に過ぎないかもしれないが、さらにビットコインの急落が続くなら警戒が必要だ。 (記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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