一正蒲鉾は類似会社のIPOを先取り2Q好決算を見直して反発

2021年4月6日 08:41

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 一正蒲鉾<2904>(東1)は、前日5日に15円高の1297円と3営業日ぶりに反発して引け、今年3月22日につけた年初来高値1327円を射程圏に捉えた。今年4月15日に同社と類似会社の紀文食品<2933>(東1)が、東証第1部に新規株式公開(IPO)予定にあるのを先取りとともに、一正蒲鉾の今2021年6月期第2四半期(2020年7月~12月期、2Q)累計業績が期初予想を上ぶれて着地したことを見直し、6月期通期業績の上方修正期待を高めて巣ごもり消費関連株人気が再燃した。今年12月には、約55億円を投資してカニかまの本社第2工場の建設に着工することも、成長可能性を高めるとして買い手掛かりとなっている。

■2Q純利益は6月通期予想を上回り過去最高更新も観測

 紀文食品は、同社と同じように水産練り製品を製造・販売しており、1160円を公開価格にIPOされ、東証1部への直接上場株は、IPO人気ガ限定的にとどまるものの、その知名度の高さと資金吸収額が東証1部銘柄として55億円超と比較的に小規模にとどまることなどから堅調な初値形成になると観測されている。IPOとともに、同業他社の一正蒲鉾の好業績見直しにつながると期待されている。

 実際に一正蒲鉾が、昨年12月に発表した今6月期2Q累計業績は、利益が期初予想を2億5300万円~4億2500万円上ぶれ、売り上げ195億7100万円(前年同期比1.5%減)、営業利益15億5300万円(同31.1%増)、経常利益15億8500万円(同29.7%増)、純利益12億2500万円(同70.8%増)で着地した。水産練り製品のうち、おでんが気温が高い影響で伸び悩み売り上げは減収となったが、利益は、「カニかま」が世界的な健康食品人気を高め、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う巣ごもり需要も加わり大幅増益となった。

 今6月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ370億円(前期比2.6%増)、営業利益19億円(同0.6%増)、経常利益19億円(同1.7%増)、純利益10億円(同3.96倍)と見込んでおり、この予想に対して2Q利益は、80%超の高進捗となり、とくに純利益は2億2500万円も上回った。このため6月期通期業績の上方修正期待は高く、東洋経済会社四季報最近号では純利益を13億円とし、2014年6月期の過去最高(12億6000万円)を更新すると観測している。なお配当は、2Q好決算とともに増配、年間10円(前期実績8円)へ連続増配を予定している。

■25日線の値固めが煮詰まり昨年来高値抜けから2018年6月高値目指す

 株価は、コロナ禍でつけた昨年来安値686円から巣ごもり需要関連株人気で底上げし、今期業績の続伸予想で1210円高値、2Q好決算・増配で1252円高値、カニかま工場建設発表で昨年来高値1327円まで買い進まれ25日移動平均線水準で値固めを続けてきた。PERは、東洋経済四季報観測値ベースで18倍台と市場平均を下回っており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の「第4波」が懸念されるなか、昨年来高値1327円を上抜き、次の上値フシとして2018年6月高値1489円が意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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