ラグジュアリー・ライフスタイルホテル「W」が日本初進出

2021年3月20日 17:57

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

米マリオット・インターナショナルと積水ハウスが3月16日、大阪の御堂筋沿いにラグジュアリー・ライフスタイルホテル「W Osaka(ダブリューオーサカ)」を開業した。「W」はマリオットが世界に展開する人気ブランドホテルで、日本初進出。デザインは、世界的建築家の安藤忠雄氏が監修した。

米マリオット・インターナショナルと積水ハウスが3月16日、大阪の御堂筋沿いにラグジュアリー・ライフスタイルホテル「W Osaka(ダブリューオーサカ)」を開業した。「W」はマリオットが世界に展開する人気ブランドホテルで、日本初進出。デザインは、世界的建築家の安藤忠雄氏が監修した。[写真拡大]

 未だ終息が見えないコロナ禍。飲食業界や旅行業界を中心に、日本経済が大きな打撃を受けている中ではあるが、大阪ではこの春、攻勢に転じようとするポジティブな動きが目立ち始めている。

 一つは、コロナ禍の影響で2度の延期を経て、ついに3月18日にグランドオープンを果たしたユニバーサル・スタジオ・ジャパンの新エリア「スーパーニンテンドーワールド」だ。構想6年、総工費600億円という同パークでも類をみない規模の新エリア。そのオープニングセレモニーには、国民的人気キャラクター・マリオの生みの親である任天堂の宮本茂氏も登壇し、大いに盛り上がりを見せた。当面は入場者数を制限しての公開となるが、マリオは世界的にも人気の高いキャラクターでもあることから、コロナが落ち着いて海外からの旅行者が戻ってくれば、大混雑になるのは間違いないだろう。日本人としてはむしろ、空いている今が狙い目ではないだろうか。

 そして、もう一つ。世界最大のホテルオペレーター、米マリオット・インターナショナルが運営するラグジュアリー・ライフスタイルホテル「W」がついに、大阪の心斎橋に日本初進出を果たしたのだ。

 3月16日にグランドオープンした「W Osaka」は、NY発で世界的にも人気の高いホテルブランド「W」が満を持して日本に開業したもので、大阪のメインストリート・御堂筋に面した絶好のロケーションに位置している。

 コロナ禍でインバウンドが激減している中でのオープンを心配する声もあるが、初日の宿泊客や今後の予約状況も上々で、関係者の予想をも上回る人気ぶりだという。同ホテルの総支配人に就任した近藤豪氏も「W Osakaは泊まるだけのホテルじゃなく、クリエイティビティを刺激する大人の遊び場。旅行の拠点だけではなく、このホテル自体を目的に来てもらいたい」と語り、懸念されるインバウンドに関しても「インバウンドが減ったということは、日本から海外に向かうアウトバウンドも減っているということ。今は海外旅行を楽しめない分、Wに来れば旅行欲を満たしてもらえるはず」と自信を覗かせる。

 近藤総支配人の言葉通り、「W Osaka」は、確かに驚きと遊び心に満ち溢れたホテルだ。

 まず、関係者が「Black Box」と呼ぶ、漆黒のモノリスのようにそびえ立つ外観に圧倒される。しかし、一歩建物の中に踏み込むと一転して、その威圧的な外観からは想像できないような、そして通常のホテルでは考えられないような、溢れんばかりの色と光、そして音の世界が広がるのだ。扉が開き、日本の桜をモチーフにデザインされた、まるでテーマパークのアトラクションの入口のような華やかなトンネルをくぐり抜け、エレベーターホールにたどり着く。そしてエレベーターの扉がラウンジフロアで開くと、最初に目に飛び込んで来るのは受付ではなく、賑やかなバーカウンターだ。巨大なフロアを仕切るのは壁ではなく、折り紙をイメージした純白のカーテン。そして、フロアには提灯をイメージした照明や、ステージには漫才マイク、色鮮やかなソファが配置されている。天井には道頓堀のネオン街を彷彿とさせる照明が下がっている。多様な色とデザインであふれているフロアだが、すべてが調和しており、少しも下品なところがない。

 外観とのギャップに面食らってしまうが、実はそれにも「W」の粋な遊び心がある。シンプルな「Black Box」を開けると、中がおもちゃ箱のようになっているのでワクワク感が増すというのだ。また、江戸時代に奢侈禁止令によって贅沢が禁止された人々が、着物の表地は質素に、裏地をお洒落にして楽しんだという日本文化もモチーフになっているという。

 インテリアデザインを担当したのは、オランダ・アムステルダムの建築会社、コンクリート社。これまでにも数多くの「W」ブランドを手掛けているが、それにしても外国人がどうして、これほどまでに日本の伝統や文化を理解できたのか。その疑問は、デザイン監修に大阪出身の世界的建築家の安藤忠雄氏が加わり、建設を積水ハウスが請け負ったと聞いて氷解する。大阪の意匠と遊び心を知り尽くした安藤氏と、日本の住まいを知り尽くした積水ハウス。しかも、積水ハウスは近年、マリオットグループの別ブランド「セントレジス大阪」「ザ・リッツ・カールトン京都」「モクシー大阪新梅田」などでもタッグを組んでおり、マリオットとはお互いに信頼を寄せるパートナーとして良好な関係を築いている。

 

 もちろん、外観やエントランスだけでなく、全337室の客室にも、和のデザインと遊び心が満載だ。各部屋には「W」の象徴的な文化である「カクテルカルチャー」を体現したバーカウンターが設置されており、大阪の夜景を眺めながら、自作のカクテルを楽しむこともできる。また、照明の操作やクロゼット扉の開け閉めでも部屋の雰囲気をガラリと変えることもできる。どんな風に変わるのかは、ぜひ、宿泊して確かめてほしい。

 他にも、ダイニングやパティスリー、フィットネスやプール、スパ施設に至るまで、細部まで計算しつくされており、近藤総支配人が「目的になるホテル」と豪語するだけあって、ホテルの敷地内を巡っているだけでも飽きさせない。

 こちらもユニバーサル・スタジオ・ジャパン同様、コロナが落ち着いた暁には、全世界から「W」のファンが殺到するだろう。今のうちに世界で人気のラグジュアリーホテルを体験しておくといいかもしれない。(編集担当:藤原伊織)

■関連記事
コロナ禍の人手不足。業種により格差。建設、電気通信で高水準。飲食、宿泊で急減
GoToトラベル利用者4000万人以上と総理
「通過点」から「旅の拠点」へ。Trip Base 道の駅プロジェクト、関西エリア初開業

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事