相場展望12月14日号 米国株は(1)クリスマス休暇入り (2)年末の節税売りで、(3)FRB緩和策、追加対策の合意 (4)ワクチンに注目

2020年12月14日 08:29

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

1)12/10、NYダウ▲69ドル安、29,999ドル
 ・議会で追加経済対策成立が難航し、早期成立期待が後退し、売り優勢となった。
 ・失業保険申請件数が85.3万件と増加し、労働市場の悪化も重石になった。

【前回は】相場展望12月10日号 世界株高となった要因と、その後の調整タイミング予想

2)12/11、NYダウ+47ドル高、30,046ドル
 ・超党派議員による追加経済対策に対し、共和党指導部が難色を示したためNYダウは下落したが、その後、ディズニーが買われたことで切り返し反発した。ディズニーは動画配信サービスの加入者数が1億3,700万人突破と発表し好感された。
 ・ナスダックは反落した。

●2.米国株動向・・FRB緩和策、追加経済対策、ワクチンが焦点

 1)11月の大幅上昇。

  2)12月に入って一服、利益確定売り圧力が強い状況が続いている。
  12月の材料としては、
  (1)ECB緩和 ⇒ 12/10決定済みだが、想定内だったため、材料視されず。
  (2)FRBの緩和 ⇒ 12/15~16に注目。
  (3)ワクチン  ⇒ 接種開始の材料に注目。
  (4)追加経済刺激策 ⇒ 議会合意に期待。

  12月は、売り材料に持ち高整理が出やすいが、(1)~(4)の材料があったため、売りに傾けられず、売りが一巡すると下げ幅は縮小する傾向があった。
  ただし、今後は
  (1)クリスマス休暇を控え、市場参加者が減っていき出来高が減少する。
  (2)年末特有の節税のための含み損失株の売却と、抱き合わせに含み益株の売却が起り全体として売りに傾く傾向がある。
  (3)来年1/5のジョージア州の上院再選挙で民主党が2議席獲得との情報があれば、増税回避策としての売りにつながる可能性が出てくる。
  (4)年末は株価のお化粧上げ期待もあるが、すでに史上最高値近辺にあり、期待薄か。
  (5)株価上昇材料としては、FRBによる追加緩和策とワクチン接種開始、追加経済対策の米議会合意がある。しかし、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和策の発表に合ったように、今まで散々材料視されて株価に織り込まれてきたため、サプライズの内容となるか否かに注目したい。

●3.米・先週分の新規失業保険申請件数は85.3万件と予想以上に増加(フィスコ)

 1)景気後退材料の材料となるため、今後の申請件数に注視していきたい。

●4.バイデン氏次男が税務調査対象で波紋(時事)

●5.JPモルガンはリポートで、「テスラ株は甚だしく過大評価されており、買い増しは思いとどまるべき」と記した。(ブルームバーグ)

●6.欧州

 1)欧州中央銀行(ECB)は12/10開催の理事会で追加緩和策を決定。(時事通信から抜粋
  (1)新型コロナ対策の資産購入規模を5,000億ユーロ(約63兆円)増額し、1兆8,500億ユーロ(約234兆円)とした。期間も2021年6月までとしていた実施期間を2022年3月まで延長した。
  (2)政策金利は据え置きを決定
  (3)企業向け融資を一段と促すため銀行に超低金利の長期資金供給を追加決定。

 2)コロナ規制強化(小売店の営業規制強化)で景気の懸念から、ドイツ長期金利が低下
  ・10年物国債利回りマイナス0.61%。(日本経済新聞)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)12/10、上海総合指数+1高、3,373
  ・商いは閑散、狭い範囲での値動き。

 2)12/11、上海総合指数▲26安、3,347
  ・米国が対中国制裁を相次ぎ打ち出すなか、両国の対立はしばらく続くと危惧され、保険株が下げを主導し幅広く売られた。反面、半導体株の一角は高い。(亜州リサーチ)

●2.中国11月新車販売は前年同月比+12.6%増で、8カ月連続増加(NHK)

 1)内訳は、乗用車+11.6%増、大型トラックなど商用車+18%増。
 2)増加要因は、地方政府による補助金効果、政府のインフラ投資の拡大でトラック需要が伸びたことによる。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)12/10、日経平均▲61安、26,817円
  ・NYダウやナスダックの下落を受け、高値警戒感もあり利益確定売りに押された。
  ・日経平均では、ソフトバンクGが+176貢献したが、総合では▲61下落となった。
  ・夜の欧州中央銀行(ECB)理事会の追加緩和を見越した買いも入ったとの見方。

 2)12/11、日経平均▲103円安、26,652円
  ・ECBの金融緩和決定を好感し小高く始まったが、米雇用悪化懸念で売りに押された。
  ・売り一巡後は下げ幅縮小したが戻りは限定的だった。
  ・ソフトバンクGとファーストリテイの2社で日経平均を▲125円押し下げた。従って、東証1部での値上がり銘柄数は1,397、値下がり696。

●2.12/11、TOPIXは+5高と反発

 ・景気失速不安が和らぎ自動車や銀行、サービスが高い(ブルームバーグ)

●3.日本株動向

 1)11月の大幅上昇で、12月に入って一服、利益確定売り圧力が強い状況が続いている。

 2)外人投資家は、11月の感謝祭以降から、クリスマス休暇入りを始めるため閑散相場が続く可能性がある。

 3)12月末迄に残る材料は、FRBの追加緩和策と、ワクチン接種開始、米議会での追加政策ぐらいであるが、サプライズに欠けそう。

 4)海外投資家は、12月1週は先物と現物株の合計で▲525億円と売り越しに転換した。

●4.ブルームバーグの市場の見方

 ・メジャーSQを12/11に通過し、ECBの追加緩和と来週のFOMCもほぼ織り込み済みで年内に上値を追う材料としては期待できない。(ブルームバーグ)

●5.企業動向

 1)ソニー   米アニメ配信事業・クランチロールを1,222億円で買収(ブルームバーグ)
 2)空港ビル  羽田旅客ターミナル拡張、2022年中に着工見通し  (読売新聞)
 3)タマホーム 11月受注は前年同月比+24%増(金額比)と順調
 4)ソフトバンクG 米ロボット開発子会社・ボストンダイナミクス社を韓国・現代自動車に約600億円で売却(NHK)

●6.企業業績

 1)HIS    10月決算期売上半減、純損失が▲250億円と、上場来、初の赤字に転落(東京商工リサーチ)

■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします)

 ・6754 アンリツ  5G
 ・2146 UT     技術者派遣
 ・5021 コスモエネ 原油価格上昇と洋上風力発電
 ・6981 村田製   EV・燃料電池関連

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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