マツダ直6エンジン開発 プレミアムブランドに必須? コストダウン・クラッシュ対策

2020年11月30日 14:23

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 マツダが、粛々と直列6気筒エンジンを開発しているようだ。ロータリーエンジンに可能性が大きく見出せないのであろうか?マツダが企業戦略として打ち出していた「プレミアムブランド」を目指してきたことで、直列6気筒エンジン、FR配置、ロングノーズショートデッキスタイルは「必須」となっているのだろうか?直6エンジンには技術的メリットが多数数えられるのだが、一方でデメリットもあり、単に現在までのプレミアムブランドが持っているスタイルとして直列6気筒エンジンが必須なのであろうか?

【こちらも】マツダ・直6エンジンFR、Dセグメントは(1) 新CX-5か? 新マツダ6(アテンザ)か?

 直列6気筒エンジンのメリットでは、バランスが良く振動を少なく出来ることが第1だ。部品精度・エンジンマウント・プラットフォームなど、エンジンの振動の問題には多くの技術が絡んでくる。他には、V6エンジンなどと比較すると、ヘッドが1つに出来て部品点数が少なくなり、コストが減ることがある。触媒なども排気系の数が1つとなりコストダウンとなる要素だ。

 直6エンジンのデメリットで最大の問題点は、エンジン全長が長くなることで起きる問題点であろうか。そのため、クラッシャブルゾーンが取りにくいことがある。また、FFのレイアウトは取れずFRとなり、ドライブシャフト、デフなどで直角に駆動方向を曲げねばならず、ハイポイドギヤを使うこととなり駆動力ロスを起こすことだ。

 つまり、エンジン馬力が少し駆動系でロスしてしまうことだ。クラッシャブルゾーンが取りにくい件では、全面からクラッシュした時、エンジンに続くミッションなどが居住スペースに飛び出すのを防ぐため、下に落とし込む設計がかなり前から確立している。

 その他、ステアリング機構を設計するにあたり、FFではドライブシャフトが前輪にあるため舵角に制限がでるが、FRであると角度を大きく取れるメリットがある。ホンダeは、シティカーとして舵角の制限を嫌って、EVでモータードライブでありながらRR配置とし、前輪をフリーにして舵角を大きくしている。そのため最低回転半径が小さくなり、シティカーとして取り回しが非常に良くなっている。FFでは難しいことだろう。

 しかし、こうしたメカニズムのメリット、デメリットを論ずることは、あまり意味はあるまい。直列6気筒エンジンFR配置は、プレミアムブランドのクルマが持つステイタスとの認識が市場にあるため、これがマツダにとって必須要件となったのであろう。

 「高級車」「高性能車」は、V12気筒などの多気筒化で振動がなく大馬力であることを「ロングノーズ、ショートデッキ」のデザインで表現し、シンボルとしてきた。その名残が大きな要素であるようだ。しかし、多気筒はフレクションロスが大きくなり、部品点数も多く、コスト高となってしまう。

 ジャガーI-PACEの成功により、こうした高級車、高性能車、プレミアムブランドの新しい法則が出来上がってくることも期待したい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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