NTTとKDDIが社会課題の解決目指して連携 災害対策など進める

2020年9月12日 18:04

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(画像:発表資料より)

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 NTTとKDDIは11日、社会課題解決に向けた取り組みを共同で行うことを発表、「社会貢献連携協定」を締結した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大などにより、社会環境が急激に変化していることを念頭に、持続可能な社会の実現を目指すための協力関係を築く。

 NTTとKDDIの連携は、山積する社会課題に対してより迅速な解決を目指すためのもの。共に通信事業を営むため競合関係にある両社だが、公共性の高い分野では互いに協力することが社会のニーズにかなうと判断。変化に強い社会基盤を構築するという理念が一致し、今回の連携に至った。

 両社は社会貢献への取り組みを「つなぐ×かえる」プロジェクトと名付け、これまでの経験や技術を活用して様々な社会課題の解決に取り組むことを目指している。

 まずは9月から、災害対策において連携を開始。NTTグループとKDDIグループは共に、光海底ケーブルの敷設や補修を行うケーブル敷設船を所有しているが、これを災害発生時に共同で運用することを決めた。通信の早期復旧に向けた任務にあたるほか、船で燃料や水、食料などを運ぶことにより、広範囲での被災者支援につなげる。特に大規模な直下型地震など、陸路による物資の運搬が難しいときに効果を発揮することが期待されている。

 連携を行うのは、災害発生時のみだけではない。防災の観点からの活動も計画しており、災害用伝言版などの通信サービスについて認知度向上のために啓発活動をするほか、モバイルバッテリーなどの防災関連グッズを配布するなどの取り組みも共同で行うことを検討している。

 今回の連携は、両社が共にケーブル敷設船を所有していることから話が始まったという。そのため現在の具体的な連携内容は災害時の船舶の活用が中心だが、ほかの社会課題にも積極的に貢献していく考えだ。

 NTTの澤田社長は、災害対策のほかにも環境問題、通信の健全な利用、労働環境などの公共性の高い分野で協力を進めることが想定できるとしている。また、KDDIの高橋社長は、同じ理念を目指す相手とは積極的に連携していきたいとの考えを示した。(記事:万嶋せら・記事一覧を見る

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