あおり運転を自動で検知 AIによる自動録画ケンウッドのドラレコ「DRV-MR8500」

2020年7月31日 12:33

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「DRV-MR8500」の「AIセンシング」機能(画像: JVCケンウッドの発表資料より)

「DRV-MR8500」の「AIセンシング」機能(画像: JVCケンウッドの発表資料より)[写真拡大]

 「あおり運転」が社会問題となっている。昔から一定数の乱暴運転の車を見かけたのだが、今は「キレる人物」が増えたようだ。そのため、現在ではドライブレコーダーが必須と言える状態で、逆に、動画がないと警察に訴えても泣き寝入りとなるようだ。

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 これまでも、事故の責任は「保険会社の取り決め」によって判断がなされてきた経緯がある。警察も軽微な事故では「責任」の所在を証明することはなかった。

 しかし、本来は事故処理をする段階では、責任の所在について重大な責任が生じている。死亡事故になると、加害者が存命していて被害者が死亡したような場合、責任の所在は極めてつかみにくくなる。それでも、実際の事故処理現場では「ぶつかった場所、早く決めてくれよ」などと、軽微な事故では警察官も面倒がって正確な処理をしないことも多かった。

 昔から「あおり運転」は一定数起きていたはずだが、警察は取り締まりに動かなかった。重大な死亡事故が起こってから、取り締まりに望む姿勢になるのが常だ。

 2020年6月30日に改正道路交通法が施行され、「あおり運転」が厳罰化された。同時に「あおり運転」の概念が法律に明文化されたのだが、加害者が自車を降りて乱暴を働く、つまり自車を使っていない時などに「あおり運転」を適用できない問題が起きている。新しく出来た法律の方が刑罰が重いことが多く、新法が適応できないと、刑罰が軽くなって世論が納得できないこともよく起きている。

 ドライブレコーダーの画像が証拠能力を持つようになってきたことで、逆に「動画がないと証明できない」とする判断が広がっているようだ。そこで、AIにより「あおり運転」が検知されると自動的に録画が始まるシステムが出来たようだ。ケンウッドの「DRV-MR8500」は、2カメラドライブレコーダーで前後撮影に対応している。

 AIが「あおり運転」を認識できるほどの多くのデータが集まっているとは思えないのだが、データを作り出してAIに学習させてきたのかもしれない。機械学習の中で、アクセルとブレーキの踏み間違いを「足の動き」から判断できるAIが出来ているが、あおり運転の判断と比べてどちらがデータとしては範囲が狭いのであろうか?

 AIの搭載が広がるのは楽しみだが、「AIの判断が正しいのか?」は常に検証していく必要があるのであろう。厄介にならないことを祈りたい。逆に、AIの事故現場での判断で、裁判所での責任判断が動くものなのかが興味を引く。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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