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投資運用で注視すべき主要なアメリカ経済指標とは 後編
さて、コロナウィルス禍が深刻となった2020年4月の雇用統計はどのような状況であったかといえば、リーマンショック後の2009年3月に記録した非農業部門就業者数65万人減、失業率8.1%をはるかに凌ぐ、非農業部門就業者数2,050万人減、失業率14.7%を記録している。これだけでも今回のコロナショックがいかに経済に甚大な被害を与えているかが一目瞭然であろう。
【前回は】投資運用で注視すべき主要なアメリカ経済指標とは 前編
もっとも、アメリカ政府やFRBを筆頭に様々な救済政策を行った結果、翌月2020年5月の非農業部門就業者数は251万人増、6月は480万人増と、そのリバウンドが大きいのは確かではある。しかしながら、4月に記録した2,050万人減の穴埋めには程遠く、失業率は2020年5月に13.3%、6月に11.1%と回復しつつあるとはいえ、依然高水準で推移している。
また雇用統計以外にも様々な経済指標が発表されるが、主要な経済指標を列挙すると、国内総生産(GDP)やISM製造業景況指数、小売売上高、個人消費支出、新築住宅販売件数、消費者物価指数などが挙げられる。
そして、発表のほとんどが日本時間の21時から0時の間に行われるものだ。当然ではあるが、日本の株式市場に関してはアメリカの株式市場に連動するため、アメリカの経済指標であっても決して軽視することはできない。
まず、指標の結果をもってアメリカのダウ平均株価が値動きをすることで、夜間も取引されている日本の株式先物が連動して値動きをする。株式先物が大きく値下がりした状態で翌日を迎えれば、日本の株式市場も大きく値下がりした状態で開始する結果となり、その逆もしかりだ。これが窓開け、つまりギャップダウンやギャップアップの実態なのである。
投資運用をする人たちが、金融商品の値動きを予想して売買することは簡単なことではない。しかし、インターネットの普及と共に、このような経済指標の発表についてもリアルタイムで確認できるようになっていることは、大きなアドバンテージである。ぜひとも経済指標に注視し、よりグローバルな視点で、投資運用を行っていただきたい。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)
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