SUBARU、通期は増収増益 販売台数増加で当期利益は前年比112億円増の1,526億円

2020年5月26日 08:30

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記事提供元:ログミーファイナンス

2020年3月期決算説明会

中村知美氏:みなさま、こんにちは。SUBARUの中村です。あらためまして、本日はお忙しい中、当社の2020年3月期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。また、平素は当社の事業活動に対し、多大なるご理解・ご支援を賜りまして、重ねて御礼します。今回の決算説明会はコロナウイルス感染防止に配慮し、電話での開催としました。何卒ご理解のほどよろしくお願いします。

はじめに、新型コロナウイルス感染症に罹患されたみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。また、不幸にしてお亡くなりになられた方々に、謹んでお悔やみします。そして、日夜懸命な努力を尽くされている世界各国の医療関係者や、ライフラインの維持に携っているみなさまに、心から感謝と敬意を表します。

2020年3月期 通期業績

それでは、さっそく資料に沿って説明します。まずは、2020年3月期通期業績の概要になります。増減の要因など詳細については、後ほどCFOの岡田からご説明をします。

まず、販売台数ですが、国内と海外を合わせた連結販売台数は103万3,900台となりました。これに伴い売上収益も、前年比で1,880億円の増加となる3兆3,441億円となりました。営業利益は前年比で286億円増えて2,103億円、当期利益は前年比112億円増の1,526億円となりました。これは2期ぶりの増収、4期ぶりの増益となります。

なお、新型コロナウイルス感染症による2020年3月期の連結業績に対する影響は、主力の米国市場の減速が3月中盤からであったため、限定的なものとなりました。

2021年3月期 通期計画

続きまして、今年度の通期計画です。新型コロナウイルス感染症の拡大により、今期に入って以降、当社の事業活動にも大変大きな影響が出ています。

みなさまご存知のとおり、生産面では、国内の群馬製作所は4月9日から5月1日まで、米国のSIA工場は3月23日から5月8日まで、それぞれ操業を停止しました。いずれも5月11日から再開していますが、群馬製作所においては早番のみの1直での操業、米国のSIA工場もペースを落とすなど、生産調整を行なっている立ち上がりとなっています。

販売面におきましても、主力の米国市場では、いまだに当社の6割の販売店が、営業活動になんらかの制約を受けている状況が続いています。

足元では、各国政府による経済・社会活動の再開に向けた動きが見られますが、感染症収束の時期や、経済・社会活動の再開に関する見通しはいまだ不透明であり、現時点で当社業績への影響を合理的に算定することは困難なことから、2021年3月期の通期業績見通しは未定とします。今後、業績予想の算定が可能となった時点で、速やかに公表させていただきたいと思います。

なお、当社は、2020年2月に新型肺炎の対策本部を立ち上げて以降、お客さまや従業員の安全確保・感染防止および事業活動継続のために、すでにさまざまな対応を取っています。引き続き、一日も早い事業活動の正常化と業績影響の軽減に向けて、打てる手はすべて打つ覚悟で、全社一丸となって取り組んでいきます。

株主還元

株主還元、配当についてです。中期経営ビジョンで掲げている「安定的・継続的な還元を重視する」観点から、2020年3月期は前年同額の年間144円で予定していました。しかし、先ほどお伝えしたとおり、新型コロナウイルス感染症により当社の事業活動にも多大な影響が出ているため、今後の資金需要に備える観点などを含めて総合的に勘案した結果、期末配当金を、従来予定の1株当たり72円から28円に変更する予定です。

その結果、中間配当と合わせた年間の配当金は1株当たり100円、配当性向で言いますと50.3パーセントとなる予定です。なお、配当については、今年6月23日に予定している定時株主総会の議決で決定します。さらに、2021年3月期については業績見通しが未定であることから、配当も未定とします。生産・販売への影響を見通すことができた時点で、業績予想を速やかに公表するとともに、配当金についてもお知らせしたいと考えています。

また、これら諸般の事情に鑑み、私以下、すべての執行役員の報酬について、その一定割合を自主返納することも決定しました。何卒ご理解賜りますようお願いします。

再び笑顔になれる日を信じて

最後のスライドですが、「再び笑顔になれる日を信じて」と書かせていただきました。現状、大変困難な状況下ではありますが、今はまず、お客さまをはじめ、従業員やその家族の安全確保を最優先に、感染拡大防止に細心の注意を払いながら、企業としての社会的責任を果たすため、事業活動を継続していきます。あらためまして、みなさまのご理解・ご支援をよろしくお願いします。

私からは以上となります。続きましてCFOの岡田から、決算の詳細についてご説明します。

通期実績 連結完成車販売台数(市場別)

岡田稔明氏:岡田です。本日は説明会へのご参加ありがとうございます。それでは、2020年3月期通期実績についてご説明します。3ページをご覧ください。

まず、連結販売台数についてですが、グローバル合計で、前年同期に対し3万3,000台の増となる103万3,900台となりました。海外市場については、主力の米国において「レガシィ」および「アウトバック」の販売が、新旧モデルの切り替えの影響を受け減少しましたが、「フォレスター」や「アセント」の販売が好調に推移したことなどにより、前年同期に対し4万3,500台の増となる90万8,000台となりました。

国内については、主力モデルの「インプレッサ」の販売が減少したことなどにより、前年同期で1万400台の減となる、12万5,800台となりました。

通期実績 連結完成車販売台数・生産台数

次のページです。生産台数については、前年同期に対し4万1,800台の増となる103万900台となりました。

米国生産については、前年に対し4,900台の減となる36万7,300台となりました。「アセント」は増加しましたが、「レガシィ」「アウトバック」のモデル切り替えや、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、従業員やその家族、および地域社会の安心・安全を優先に考え、3月23日から操業を一時停止したことも影響しました。

国内生産については、前年に対し4万6,600台の増となる66万3,600台となりました。主に、グローバルで販売好調な「フォレスター」の増加が寄与しました。

通期実績 連結業績

次に、連結業績についてです。連結売上収益は、為替レート差で594億円の減少となったものの、海外の自動車販売台数の増加などによる売上構成差2,446億円を主因とし、前年同期比1,880億円の増収となる3兆3,441億円でした。営業利益については、売上構成差の改善や研究開発費の減少などにより、前年同期比286億円の増益となる2,103億円となりました。

税引前利益は216億円の増益となる2,077億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、112億円の増益となる1,526億円となりました。

前年実績対比 通期実績 営業利益増減要因

次に、前年実績対比の営業利益増減要因です。主な増益要因は、売上構成差等の改善と研究開発費の減少です。売上構成差等は、販売台数の増加および米国販売奨励金費用抑制により、392億円改善しました。研究開発費については、IFRS適用に伴い資産化される額が増えたことなどにより、161億円減少しました。

主な減益要因は、為替レート差と原価低減等です。為替レート差は、USドルの2円の円高影響が大きく、マイナス290億円となりました。貴金属価格の高騰により、原材料・市況等がマイナス219億円の悪化となり、原価低減等はマイナス115億円となりました。クレーム費に含まれる市場措置費用については、総額約950億円となりました。前年に対しては減少し、クレーム費全体で約250億円の増益要因となりました。

なお、米国の販売奨励金は、前年同期の1台当たり2,100ドルから500ドル減で台当たり1,600ドルとなり、奨励金総額として285億円の削減となりました。

前回計画(2020/2/5 発表値)対比 通期実績 営業利益増減要因

次に、前回発表値に対する営業利益増減要因です。主な増益要因は、諸経費等の減少です。主にクレーム費が減少しました。主な減益要因は、売上構成差の悪化と為替影響などです。売上構成差は、主に販売奨励金が増えたことにより、マイナス177億円となりました。なお、販売奨励金マイナス103億円のうち、米国でマイナス62億円です。前回計画の台当たり1,550ドルから50ドル増えたことにより、増加となりました。

第4四半期(3ヵ月)実績 連結業績

ご参考に、第4四半期3ヶ月の連結業績について説明します。連結売上収益は、前年同期比947億円の増収となる8,595億円となりました。営業利益については、クレーム費など諸経費の減少と、海外の自動車販売台数の増加などによる売上構成差の改善などにより、前年同期比316億円の増益となる577億円となりました。税引前利益は、262億円の増益となる544億円。親会社の所有者に帰属する当期利益は、176億円の増益となる409億円となりました。

なお、新型コロナウイルス感染症の全世界的な感染拡大の影響について、中国市場をはじめ、当社の主要市場である米国市場においても大打撃を受けています。しかし、米国市場については、3月中盤から減速し始めたため、第4四半期の損益への影響は限定的となりました。

通期実績 連結キャッシュフロー

続きまして、連結キャッシュフローです。2020年3月期の現金および現金同等物の増減は1,566億円、期末の現金および現金同等物残高は8,590億円となりました。税引前利益は約2,077億円となりましたが、すでに引き当て済みのリコール案件の実施によるキャッシュアウトや、仕入債務の減少を鑑み、定期預金の解約や長期借入金、社債などによる資金調達を進めました。

設備投資・減価償却費・有利子負債・研究開発支出

続きまして、設備投資・減価償却費・有利子負債・研究開発支出については、ご覧のとおりとなります。有利子負債は、前年に対し1,355億円増の2,392億円となりました。

コロナウイルスリスクに対する手元資金の確保

最後に、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するリスクを見据えた、手元資金の確保について説明します。2020年3月末時点の現金同等物残高8,590億円(うち借入金が2,392億円)に対し、4月以降、1,000億円の資金調達を計画し、一部すでに実施しています。加えて、コミットメントライン約2,000億円、社債発行枠400億円、コマーシャル・ペーパー(CP)発行枠1,000億円の資金調達枠を設定しており、取引先の支援を含めて、機動的に対応できるよう準備をしています。

なお、後発事象として開示しましたが、4月から本日までに長期借入400億円、コミットメントライン実行による1,515億円の調達をしています。

以上で、2020年3月期年度決算の説明を終わります。ありがとうございました。

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