トヨタ・スープラ、2020年モデル登場 340PS/5000rpmから387PS/5800rpmへ

2020年5月5日 15:02

印刷

スープラ 特別仕様車 RZ“Horizon blue edition”(画像: トヨタ自動車の発表資料より)

スープラ 特別仕様車 RZ“Horizon blue edition”(画像: トヨタ自動車の発表資料より)[写真拡大]

  • スープラ 特別仕様車 RZ“Horizon blue edition”
  • スープラ 特別仕様車 RZ“Horizon blue edition”
  • スープラ 特別仕様車 RZ“Horizon blue edition”
  • スープラ 特別仕様車 RZ“Horizon blue edition”

 トヨタは4月28日、スープラに改良を加えて10月ごろから発売すると発表した。今度の改良は、最上級グレード「RZ」のエンジン最高出力を、340PS/5000rpmから387PS/5800rpmとした。3リッター直6ターボエンジン仕様で14%出力向上を果たしている。

【こちらも】スープラ、NSX、アルピーヌ・・・ スポーツカーのリバイバルブームを考える

 性能的には0-100km/h加速4.1秒となり、4秒は切れていないが0.2秒短縮させた。最近EVセダンの加速力が低速域ではかなりエンジンスポーツカーに接近してきているが、今回改良されたトヨタ・スープラが、加速力と共に最高出力発生回転数を5000rpmから5800rpmと高回転型にしたことは、高回転域でのスポーツカーとしての面目が感じられる

 その他の改良点としては、ボディ剛性をあげるためにボディフロントをブレースで強化し、サスペンションの動きを、ボディの不規則でムダな動きによって邪魔されないようにしたものと言える。サスペンション形式は変わらないが、かなり高精度のチューニングを行うことでコーナリングの安定を図っているのだろう。

チューニング技術は「ルマン24時間レース」や「WRCラリー」からトヨタも持っているものであろうが、それを「市販車として開発していく過程」が「宝物」である。BMW・Z4からトヨタが学んだことは、市販の自動車とは「走るものだ」が基本であるということだ。

 トヨタ・スープラは、姉妹車BMW・Z4に比較して、硬めのサスペンションセッティングであると評されてきた。しかし、パニック状態のブレーキングにおいては、トレース性能も停止距離も安定しており、かなり高性能な走りを保証している。今回、それをさらにパワーアップした狙いは、スポーツカーとしての性能を高回転型エンジンとすることで研ぎ澄まし、さらなるスポーツ性を高めたと言える。

 ボディカラーは、他の6色とは違うRZ専用色「マットストームグレーメタリック」仕様を設け、特注車両として27台の限定生産とした。この車両は、2020年4月28日から5月24日まで申し込み受け付けをした上で、抽選して販売されると発表された。発売されるまでに、新型コロナウイルス感染拡大が収束していてくれることを望みたい。

 姉妹車BMW・Z4はおしゃれな2座オープンと言ったところであるが、スープラは最近のトヨタのスポーツ指向であり、トヨタの旗艦としての役割を果たしていくだろう。

 スープラのクーペボディは、Z4のオープンボディに比較して100kgほど軽いためレース走行も可能で、ユーザーとしてはその方向性をさぐるのも良いかもしれない。8速AT仕様でWLTC12.0/Lの燃費性能は、クルマの性格から考えれば優秀だ。

 トヨタ・スープラの価格は、直4エンジン仕様と合わせて、約500万円から、RZモデルでは740万円といったところだ。これを高いとみるか安いとみるかは、ユーザーの購入目的が決めるのであろう。純粋にスポーツ走行を楽しみたいのであれば、この性能はバーゲンだ。パニックブレーキを踏んでみれば分かるのだろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事