NYの視点:米国経済の景気後退入りに備える

2020年3月13日 08:45

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記事提供元:フィスコ


*08:45JST NYの視点:米国経済の景気後退入りに備える
NY株式相場は史上最高値から20%下落し「弱気相場入り」となった。経済指標ではまだその影響が反映した結果が出ていないが、新型肺炎の世界的な蔓延で経済が景気後退入りするとの懸念が強まっていることは確か。

過去93年間でS&P500種指数が弱気相場入りしたのは13回。そのうち、12カ月以内に経済が景気後退に陥らなかったのは1987年、1966年の2回のみ。また、過去の14回の景気後退のうち弱気相場ではなかったのは3回だったという。この結果、相場が弱気相場入りしたことも、米国経済が景気後退入りする兆候を示唆するさらなる指標となっているようだ。

JPモルガンは金融市場資産はすでに景気後退を80%織り込んだとしている。株式投資家の恐怖心理の度合いを示す指数であるVIX指数も2008年の金融危機以来の高水準となっている。

米連邦準備制度理事会(FRB)が17日、18日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の一部アナリストは100ベーシスポイントの利下げも織り込み始めている。FRBは12日、ドル資金調達市場にひっ迫が見られたため大規模な資金供給計画を発表した。信用市場、流動性危機などに注視が必要となる。

ただ、現在、金融機関の資本は十分で2008年のような銀行破綻への危機や差し迫った労働市場への恐怖はまだ感じられていない。《CS》

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