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Jフロントリテイリング、パルコを完全子会社化へ 不動産事業強化狙う
大丸松坂屋百貨店を運営する小売大手のJフロントリテイリングは、連結子会社のファッションビル大手・パルコの株式公開買い付けを進め、完全子会社する考えを明らかにした。公開買い付けは2月17日まで続け、成立すればグループの不動産事業をパルコに一元化、大規模複合施設開発に力を注ぐ。
公開買付価格は1株当たり1,850円。12月25日の終値に36%を上乗せした。Jフロントリテイリングはパルコ株の65%を所有しており、残り約3,600株すべての取得に約658億円を投資する。公開買い付けは12月27日から始めている。公開買い付けが成立すれば、パルコの東京証券取引所一部上場が廃止される。
Jフロントリテイリングはパルコの完全子会社化後、グループの不動産事業を集約したい考え。主力としてきた百貨店事業が東京、大阪の都心部を除いて苦戦を続け、売り上げの減少に歯止めがかからないことから、従来の百貨店モデルから賃料で稼ぐ商業施設型モデルに軸足を移すのが狙い。
Jフロントリテイリングは完全子会社化の理由について、顧客のニーズに対応するため、意思決定を迅速にする必要がある点を強調している。
2019年9月にリニューアルオープンした大阪市中央区の大丸心斎橋店本館は、売り場面積の大半を不動産賃貸にしたほか、2017年に東京都中央区の松坂屋銀座店跡に商業施設「銀座シックス」を開業したが、こうした傾向をさらに強めるとみられる。
パルコはセゾングループの商業施設として1969年に東京・池袋でスタートしたが、Jフロントリテイリングが2012年にいったん、持ち分法適用関連会社化したうえで、株式公開買い付けによって連結子会社としている。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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