日産、通期業績予想を下方修正 営業利益53%減 減配も発表

2019年11月13日 09:21

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決算発表を行うスティーブン・マー常務執行役員。(画像: 日産自動車の発表資料より)

決算発表を行うスティーブン・マー常務執行役員。(画像: 日産自動車の発表資料より)[写真拡大]

■2Qの売上高は9.6%減、営業利益は85%減

 日産自動車(7201)は12日大引け後に、20年3月期通期の業績予想の下方修正を発表。売上高は前回予想の11兆3,000億円から6.2%減の10兆6,000億円(前期比8.4%減)、営業利益は2,300億円から34.8%減の1,500億円(同52.9%減)、純利益は1,700億円から35.3%減の1,100億円(同65.5%減)とした。

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 合わせて発表した2Q累計(19年4月~9月)連結決算は、売上高は前年同期比9.6%減の5兆30億7,500万円、営業利益は同85%減の316億800万円、経常利益は同64.9%減の1,156億4,200万円、純利益は同73.5%減の653億6,500万円だった。

■販売台数伸び悩む、円高傾向も業績悪化要因

 世界を代表する自動車メーカーの日産。18年11月のカルロス・ゴーン元会長の逮捕や、19年9月の西川廣人元社長の実質解任など社内の騒動が絶えない状況が続いたが、その影響は対外的にも及ぶ。19年度上期のグローバル販売台数は前年同期比6.8%減の250万1,000台と落ち込んだ。

 地域別を見ていくと、日本は同1.3%減の28万1000台、中国が同0.3%減の71万8000台、北米は同4.3%減の67万9000台、欧州(ロシアを含む)が同19.7%減の26万5000台。その他市場は同11.4%減の36万台と全市場で販売台数が落ち込んだ。また為替も想定レートの1ドル110円より円高が続いたことも業績悪化の要因だ。

■米国事業の構造改革が進むものの、改善は厳しく

 12日の決算発表は、新CFOに就任予定のスティーブン・マー常務執行役員が出席し、上期の配当を1株10円とすると発表した。前期は28.5円の配当であったため大幅減配となった。通期では前期の57円から減配の40円と予想していたが、下期の業績次第では更なる減配リスクもはらんでいる。

 マー氏は決算発表で、米国事業の構造改革が進んでいることを述べ、下期からは新経営体制で長期成長を見込した体制を取っていく方針とのこと。しかしながら、世界的に自動車販売台数の落ち込みが目立つ中、お家騒動で騒がせた日産に対するまなざしは厳しいものがある。

 実際、大株主である仏ルノーとの提携関係見直しや大規模リストラ等、構造改革を行っているものの、外部要因で見た際に具体的な改善策は見いだせていない。下期にかけて業績の改善が図れるかチェックしていきたい。(記事:拓蔵・記事一覧を見る

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