ココカラファイン、マツキヨHDと経営統合の協議入りへ

2019年8月14日 20:16

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 ドラッグストア大手のマツモトキヨシホールディングス(HD)、スギHDの双方から経営統合のラブコールを受けていたココカラファインは14日、取締役会を開き、マツキヨHDと統合に向けた協議に入る考えを明らかにした。実現すれば業界トップのツルハHDを抜き、国内最大のドラッグストアグループになる。

【6月には】ココカラファインがスギ薬局と経営統合を協議 マツキヨとの提携も検討継続

 ココカラファインは今春、マツキヨHD、スギHDから申し入れを受け、統合に向けた協議に入った。社外有識者による特別委員会を設置し、両社の申し入れ内容を精査したところ、8月に入ってマツキヨHDを支持する答申が特別委員会から上がっていた。

 取締役会であらためて両社の申し入れ内容を再検討した結果、経営課題を単独で解決するのが難しく、マツキヨHDと経営統合した方がより大きな効果を期待できると判断した。今後、速やかにマツキヨHDに独占交渉権を付与し、基本合意に向けて交渉を進めることにしている。

 ココカラファインは2008年、関東が地盤のセイジョーと関西が地盤のセガミメディクスが統合して発足した。「ココカラファイン」「ドラッグセガミ」「くすりセイジョー」などのブランドにより、3月末現在で全国に1,354店を展開する。2019年3月期連結売上高は4,005億円。業界7位に位置する。

 一方、マツキヨHDは1932年創業、3月末時点の店舗数は、「マツモトキヨシ」「どらっぐぱぱす」など全国で1,654店。2019年3月期の連結売上高は5,759億円で、業界5位に入っている。都市型店舗が多く、化粧品などの品ぞろえが充実していることから、訪日外国人観光客の需要を取り込み、営業利益率は業界トップとされる。

 両社の経営統合が実現すれば、連結売上高1兆円規模、店舗数約3,000店の巨大ドラッグストアグループが登場する。現在の業界トップに位置するツルハHDの7,824億円、2,082店を大きく上回る。

 ドラッグストアは2018年度で国内2万店を突破し、飽和状態という指摘も上がるようになった。業界の成長モデルに限界が見え始めていることもあり、業界再編の動きが他にも出る可能性がある。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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