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GM新型シボレー・コルベット8代目MRで登場 大排気量V8OHVエンジンが懐かしい
アメリカ唯一のスポーツカーと言えるGM(ゼネラルモーターズ)ブランドの「シボレー」から、8代目コルベットが登場した。スポーツカーと言うよりは、「アメリカンGT丸出しの2座席スポーツカー」と言えば分かりやすいのであろう。
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日本の日産・フェアレディー、つまり「ダットサン・240Z」がかつてアメリカで大ヒットしたように、アメリカ人にとっては繊細なハンドリングを持つヨーロピアンスポーツカーよりも、豪快な走りっぷりを示すGTが好みなのだろう。
新型8代目シボレー・コルベットで注目されるのは、なんといってもFR(フロントエンジンリアドライブ)であったのがMR(ミッドシップエンジンリアドライブ)に変更されたことだ。そんな新世代アメリカンスポーツカーとは、どんな内容なのであろう。GMは2019年7月18日、新型「シボレー・コルベット スティングレイ」をタスティン(カリフォルニア州オレンジカウンティー)で世界に公開した。
スタイリングは航空機のコックピットをまねた形状で、これが流行りのようだ。トヨタ・スープラもキャビンの後ろ側を絞り込むデザインを採用している。MRのため運転席は前進している印象を受けるが、アメリカ車でこのような操縦性に敏感なシステムを採用してきているのは、少々違和感が残る。全長×全幅×全高は4630×1934×1234mm、ホイールベースが2722mmで、2座席の割には平面面積は広いが、それほどワイドではない。取り回しが良いのはありがたいことだ。
プラットフォームは軽量・高剛性のアルミダイカスト製となっているが、ダイカストなのであろうか?少々怪しい。ボディは複合素材で、乾燥車両重量は1530kgとかなり軽い。
「V8 OHVエンジン」とは懐かしいが、DOHCにしなかったのはアメリカ伝統の判断なのか?つまり、最近のダウンサイジングターボのように、燃費性能を上げるために出来るだけエンジン排気量そのものを小さくしようと努力している姿はない。現代の考え方で低速トルクを強くする目的なら、エンジン回転数を上げる必要はなくOHVで十分であるのだろうか?
6.2リッターV8 OHV 16バルブ、「LT2」としている。重心を低くするためオイルパンを省略してきたようだ。オイルサンプシステムは、レーシングカーなどと同じドライサンプ式にしている。最高出力495hp/6450rpm、最大トルクが637Nm/5150rpmは、紛れもない「アメリカンGT」だ。このエンジンに組み合わされるミッションは、トレメック製のデュアルクラッチ式8段ATとのことだ。
サスペンションは前後ともに車高を低くするためなのか、ダブルウイッシュボーン式、コイルオーバーダンパーを電子制御している。加速性能はアメリカ車らしい表示で0-60mph(96km/h)加速が3秒以下とされ、スーパーカーと称しても不足はない。
アメリカ車らしく前後のトランク容量は合計357リッターで、日常使用の実用性も高い。大馬力、大トルクでも神経質ではないのであろう。
一昔前のアメリカンGTと違って、タイヤが暴れるほどスプリングが柔らかく、ダンパーの利きが心もとないこともないのだろうか。すっかりヨーロッパのプレミアムカーを追いかけて、アメリカ車の個性を失っていることがないように祈りたい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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